副業はオーケストラに対するロックであって、魅力はマイノリティ感だ

2020.08.20 (木)

思うのだけれど、最近‥というか2年前くらいから「起業」に対する世間のイメージの変化が顕著になっきたと感じている。「起業」という言葉がありふれる様になったのだ。

 

 

このコラムは僕の感覚を書くものなので、もちろん、このコラムに書かれた内容は僕固有のものである。世間で言われている「起業感」のすべてに当てはまるものではない。あくまでも僕が見聞きできる範囲内の話を書いたものだ。

 

 

起業というと5年前くらいは、それほど一般的ではなかった。故に5年ほど前に人が「起業」という言葉を使ったり、「自分は起業するぞ」と目標を据えたりすることには、どこかマイノリティ的な格好良さがあった。

 

 

多くの人が会社員を歩む中で、「それじゃあ面白くない」とばかりに、違う道を歩む。大部分の人が右を向いている中で、左を向く。そんな「人と違うことをする自分」というのが、起業という言葉にはついていた。

 

 

それが、ここ5年ほどの間に変わったように思う。それは、「起業」という言葉がメジャーになったからかもしれない。選択肢としての起業が、世間一般に知られるようになったのだ。「就職か、それとも起業か」とか「勤め続けるか、それとも起業か」のように。

 

 

起業という言葉が世間一般に知られるようになったのと同時に、起業には悪いイメージもつきまとうようになった。付着するものは良いものばかりではなく、汚れも付着する。起業という言葉に付着した汚れは、「怪しい」とか「お金に汚い」とか「威張っている」とのようなイメージだ。

 

 

ユーチューブでも「起業家」という言葉を聞くようになったし、友人と話をしていても「起業家」という言葉を聞くようになった。起業という言葉が一般的になった。その良い面は選択肢としての起業が広まったことだろうし、悪い面は起業の悪いイメージが固まってきたことだ。

 

 

そんな「起業」に変わって、最近盛り上がりを見せているのが、「副業」という言葉になる。副業というのは、いわゆるグレーゾーンなのだ。触れすぎた針が調整して元の戻る現象が、「副業の盛り上がり」なのだと僕は思う。

 

 

僕は20年前くらいにスキーをしていたのだけれど。そのときスキー界に何があったのかというと、カービング技術の登場である。真ん中が大きくくびれたカービングスキーがスキー界に登場したことによって、技術のパラダイムシフトが起きたのだ。

 

 

皆んながカービングという技術に酔いしれた。同時にそれまでのスキッディングという技術を「古いもの」として排斥した。スキーをする人の誰もがカービング技術を追い求め、「切ること(カービング)が良いこと」「ずらすこと(スキッディング)が悪いこと」という安直な価値観に染まってしまった。「切るか、それともずらすか」「良いか、悪いか」という白と黒でしかスキー技術を見ることできなくなってしまったのだ。

 

 

でもそんな、「カービング技術を良し、スキッディング技術を悪し」とする風潮も、年を経るごとにおさまっていった。「やっぱりスキッディングも必要だよね」という見方が出てきたのだ。カービング側に振り切れた針が、調整をはじめて元に戻る作業だ。その際に、グレーゾーンというものが生まれた。カービング技術とスキッディング技術をうまく融合させる技術である。

 

 

スキーで描く弧の中で、「だいたいカービング何割でスキッディング何割」のような、2つとも使う技術である。

 

 

それまであったスキッディング技術の中で、カービング技術が生まれた。初めは皆んながカービングを取り入れたけど、徐々に古い技術と新しい技術の融合が見られるようになったのだ。

 

 

仕事の世界で起きていることは、20年前にスキー界で起こったことと同じなのだろう。それまであった就職という中に、起業という選択肢が生まれた。初めは皆んなが起業を目指したのだけれど、徐々に就職と起業の融合が見られるようになった。

 

 

起業のデメリットと就職のメリットが見直されてきた。その結果として出てきたグレーゾーンが副業なのだ。

 

 

僕が思う副業の良さは、マイノリティ感だと思う。以前は起業につきまとっていたマイノリティ感が、今は副業につきまとっているのだ。以前はマイノリティだった起業は一般的になってしまって、もはやマイノリティではなくなってしまった。マジョリティの一角を占めるようになってしまった。

 

 

その代わりに今マイノリティ感を感じるのが、副業なのだ。「起業しています」というと、どこか威張っていて、見下している感があって、どこか自慢げに聞こえるのだけれど、「副業しています」というと、そんな感じはしない。威張る感じもないし、見下している感じもないし、自慢げなニュアンスも感じない。

 

 

それどころか、どこか控えめで奥ゆかしい感じが副業という言葉にはするのではないだろうか。

 

 

人はマイノリティに惹かれる。それは「他者に埋もれたくない」「皆んなと同じになりたくない」という自分を固有の存在として見なす作業である。

 

 

就職という枠の中で固有の自分を見つけようとする時代があり、起業という選択肢に固有の自分を見つけようとする時代があり、副業というグレーゾーンに固有の自分を見つけようとする時代がある。

 

 

オーケストラに対するロックのように、野球やサッカーに対するスケボーのように、セダン型乗用車に対するSUVのように。周りと同じに染まってしまいそうな時に、「周りはそうであっても自分だけはこうだ」というマイノリティ感に、人はひかれるものである。

 

 

副業が盛り上がっているのは、起業にはなくなってしまったマイノリティ感に、人はひかれているのだと思う。

 

 


 

 

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