子どもの非行を防ぐ抽象の視点とは

2018.12.01 (土)

「右膝の裏が痛いんです」

 

 

これは先日、私は理学療法士の方に右膝を見てもらう際に、私が言った言葉です。私は右膝の裏によく痛みが走るんです。座ってから立ち上がる時や走る時。そんな時に、右膝の裏にある腱が痛くなるんです。

 

 

そこで、たまたま理学療法士の方と話す機会があったので、「ものはついで」と思って聞いてみたんです。膝裏の痛みについて、聞く前は「大してよくはならないだろう」と思って聞きました。「話のネタにする」くらいの軽い気持ちでした。

 

 

ですが、私の話を聞いた理学療法士の方の対応は素晴らしく、アドバイスしてくれた軽いストレッチ運動だけで随分と膝が楽になったんです。私の質問を聞いたその方が教えてくれたストレッチ方法をすると、膝が軽くなったんです。

 

 

私は何年か前に、膝裏に鍼治療を受けたことがあります。どうしても「膝裏の痛みを直したい」と思ってのことです。その時には、足に鍼を刺して電気流したりしたんですが、一向によくはなりませんでした。それなのに、なんの道具も使わないでストレッチ運動だけで、痛かった右膝が柔軟に動くようになったんです。

 

 

ここにも具体と抽象の関係が見てとれます。私は具体に囚われていたようです。私には右膝しか見えていなかったんです。表面的な、だけど実感のある具体的な痛み。それしか見えていなかったんです。ですがその痛みっていうのは、抽象に対する具体だったんです。根本に対する表面でしかなかったんです。

 

 

理学療法士の方は、「右膝の裏が痛いんです」という私の訴えに対し、右膝全体や体全体を見ていました。私の立ち姿勢や歩き方、「座ってみてください」「立ってみてください」っていう指示に対する動作、立っている際の左右のバランスや前後のバランス。それに大して右足全体がどう作用しているのかを見ていたのでしょう。

 

 

理学療法士の方には、抽象の視点があったんです。具体的な痛みが表面的に現れる「右膝裏」にとらわれることなく、一歩上の視点から全体を見る視点。物事の根本は何かを探る視点です。この場合は、右膝の痛みの根本です。

 

 

痛みの根本を、右膝裏ではなく、体全体や右足全体に見ていたのだと思います。何が痛みの原因なのか、何が本質なのかを見る視点。その一歩上からの視点を持っているのがプロということなんでしょうし、プロというのはその分野で物事を抽象的に見ることができる人のことなんでしょう。

 

 

私は以前、自分のアウトプット力を改善しようと思い、スピーチ教室でレッスンを受けたことがあるのですが、そこでもスピーチの先生から同じようなことを言われました。「応用と基本、両方が重要ですよ」というのです。

 

 

スピーチ力に磨きをかけようと思ったり、話し方を改善しようと思ったりして、話し方教室の門を叩く人は大勢います。ですが、その中でも話し方が改善する人と改善しない人がいます。スピーチ力が劇的に向上する人と、レッスンを受けても全く良くならない人がいます。門を叩いた生徒を的確に指導できる先生と、的確に指導できない先生がいます。相手の悩みをうまく晴らすことができる人間と、悩みを聞いてもいい方向に持っていけない人間がいるんです。

 

 

この違いが何かと言うと、やはり具体と抽象なんです。物事を具体レベルでしか見ることができないか、それとも抽象の視点を持って物事を見ることができるか、です。具体と抽象は、応用と基本と言い換えることができます。具体が応用、抽象が基本です。

 

 

スポーツだと分かりやすいでしょうか。私たちはよく、プロスポーツ選手の華麗なプレーに憧れます。学生時代に私はバスケットボールをしていたのですが、アメリカプロバスケットボールであるNBAの選手の迫力のあるプレーやテクニックに私は心を躍らせたものです。

 

 

その時も目がいったのは、派手で、迫力があって、華麗なプロ選手のテクニックです。ドリブルで相手を抜かす際の抜かす際のフェイントや、シュートを打つ際の動き。迫力のあるプレーに私たちは見入ってしまって、「あんな華麗なプレーを自分も身につけたい」と思います。

 

 

ですが忘れてはならないのは、華麗なプレーの裏側には、地味な練習があるということです。派手なフェイント、華麗なシュート、そんな応用技の根っこにあるのは、やっぱり地道な練習なんです。バスケットボールが体になじむようにボールをずっとついていたり、ボールを体の周りで回したり。そんな地味で、体育館の隅でやるような目立たない練習が根本にあるからこそ、派手で迫力のあるプレーができるんです。

 

 

ただ基本だけしていても、なかなかモチベーションが上がらないのも事実です。目立たない練習ばかりしていては、徐々に心が離れていきます。バスケットボールでも体育館の隅での練習ばかりでなく、実際のコートでの試合というのは、どれだけの練習時間を費やしても得られない、実戦の感覚というものが得られます。基本と応用、両方が必要なんです。

 

 

スピーチの先生の言葉も、「具体と抽象の両方が必要」という意味だったのだと思います。私たちは人前で話せるようになるために、発声の仕方や台本のたとえ話など、目に見えるものを改善しようとします。そんな表面に出る分かりやすいものしか見えないんです。ですが実際に人前で話すのを改善しようとすると、そんな具体的なものだけでは治らないんでしょう。基本と応用、両方が必要なんです。

 

 

子どもの非行を防ぐには、抽象的に物事を見る視点が欠かせません。具体的な事例から、いかに抽象的なメッセージを読み取るか、です。具体と抽象、両方必要なわけではありますが、私たちは具体には目が行くものの、抽象にはなかなか目がいきません。意識すべきは抽象的なメッセージなんです。物事の本質を見抜く視点、裏側を見抜く視点。

 

 

表面的に表れる非行や非行の兆し、という現象に対して、抽象の視点を持って見られるかどうかです。具体にとらわれず、「どうすれば子どもが素直に成長するのか」「どうすれば道が見えるのか」のモヤモヤした問題を自ら考える視点。それが、子どもの非行を防ぐ抽象の視点です。

 


 

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非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。

 

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