職務質問と取り調べの違いは何か

2020.06.17 (水)

職務質問と取り調べはまったくの別物です。

 

 

職務質問とは

まず職務質問ですが、これは街なかで行われるものです。日常生活を送っている一般市民県民に、警察官が急に話しかけるもの、それが職務質問です。市民県民の側からすれば、「なんで急に警察官が話しかけてくるの?」「普通に生活しているだけなのに、どうして警察が入ってくるの?」「オレって警察から話かけられるような悪いことした?」と不思議に思うでしょう。

 

 

警察というのは、悪いことをしているから職務質問をするのではなく、悪いことを見つけるために職務質問をします。社会に潜在的に隠れている犯罪を暴くために、職務質問をします。故に警察官が職務質問をする相手は、多くの場合は何も悪いことをしていない人たちです。

 

 

警察官の目にも、誰が悪いことをしていて誰が悪いことをしていないのかなんてわかりません。誰も悪いことなんかしていないようにも見えるし、誰もが悪いことをしている可能性も見ています。

 

 

犯罪者は大抵、犯罪を隠しているものです。犯罪を犯しておきながら大っぴらにしていては、すぐに警察に捕まってしまいますし、それでは自分の自由が奪われます。犯罪者も含めて、誰も警察には捕まりたくありません。犯した犯罪は隠しておくものです。

 

 

この犯罪者が自分の犯罪を隠す行為は、警察官の目ですら容易に欺けるものではなく、警察官だって、潜在的な犯罪を見逃してしまう可能性もあります。警察官は、自分たちが潜在的な犯罪を見逃す可能性があることをわかっているから、けれどそういう犯罪をこそ見つけなければならないことを知っているから、一見犯罪とは関係のなさそうな人にも職務質問をするのです。

 

 

職務質問をされる側からすると、職務質問ほど迷惑な話もありません。警察官から名前やら「何をしていたのか」なんかを聞かれるのですから。それに、自分でも自覚のない悪いことを暴き出される可能性だってあるのですから。

 

 

けれど、社会で生きるとはそういうことだと思っていただけれだと思います。社会生活は、警察官から職務質問されることを織り込み済みなのです。平和で治安の守られた社会で生活するとは、「職務質問をいつどこでされるかわからない」という中で生きることなのです。

 

 

これは、職務質問のない生活を想像してみればわかると思います。それがどんなに危険か。職務質問のない社会がどんな風になるのか。それは、試験管がいないことがわかっているテスト会場のようなものです。審判のいないバスケやサッカーみたいなものです。駅員のいない駅改札口のようなものです。不正が横行することは容易に想像できます。逸脱行為が蔓延するでしょう。

 

 

誰かが、不正をする者がいないかどうかチェックしておく必要があります。「不正行為をチェックしている人がいる」という情報を誰もが知っておく必要があります。実際に不正行為を行った者にペナルティを課して見せしめる必要があります。

 

 

そうやって、住みよい社会、当たり前に生活できる水準の社会が成り立っているのです。

 

 

取り調べとは

では取り調べとはどんなものでしょうか。これは、すでに警察に捕まった者に対して行われるものです。警察から、「あなたは犯罪を行っていますね」と疑いをかけられ、警察側としては犯罪があったと認めた者に対して、どういう経緯で犯罪があったのかを聞く必要があり、それが取り調べです。

 

 

警察は、間違いなく犯罪があったこと、その人が犯罪者であることをキチンと証明しなければなりません。自分たちが捕まえた人間が犯罪者であることの証拠を揃えなければなりません。そのために、いつどこで、誰が、どんな理由で、誰に、何をしたのかなどを、捕まえた人間から詳しく聞く必要があります。その聞く作業が取り調べになります。

 

 

もちろん取り調べには、犯罪者に反省をうながす、という意味もあります。自分が何をやったのか、目を背けていないで、直視させます。そうして自分が犯した行為の罪深さを自覚させ、悔い改めさせるのです。自分だけでは行為を客観的に見られないでしょうし、警察官などの他人と話してはじめて主観を外して見られるものなのです。

 

 

職務質問が街なかで、日常生活を送っている中で突然始まるのに対し、取り調べは突然に始まるものではありません。取り調べをされる人は、自分を警察が捕まえていることを明白に理解しているでしょう。取り調べは警察署や交番で行われるので、そこまでいって自分が犯罪者として特定されていることを理解できない人はいないと思います。

 

 

職務質問で捕まえた犯罪者を、事件の証拠を積み上げるために取り調べる、という流れにもなります。なので、始めに職務質問があって、そこで犯罪を特定して(犯罪者を捕まえて)、それから警察署や交番に行って取り調べ、という流れになります。そういう意味では、職務質問と取り調べはまったく別のものではありますが、両方とも警察の仕事の中では同じ流れの中にあるとも言えます。

 

 

職務質問と取り調べの違いについて、でした。

 

 

 


 

 

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