子どもを変える方法を学ぶのか、それとも変えようとする気持ちを抑えるのか

2020.08.04 (火)

「もし今日が人生最後の日だったら、今日やることは本当にしたいことなのか?」

 

 

アイフォーンを考え、アップルを世界一クールな会社にしたスティーブ・ジョブズは、未だに経営の神様だと言われ、ジョブズ神話やアップル信者は絶えることがなく続いている。

 

 

「もし今日が人生最後の日だったら‥」という言葉はスティーブ・ジョブズの言葉であるが、確かにこの言葉は使い勝手が良い。「もし今日が人生最後の日だったら‥」と考えると、やるべき事とやるべきでない事の見分けがつくようになる。

 

 

子どもとの関係で悩む親は多いと思うけど、どこで悩むのかと言うと、変えようとしてもなかなか子どもが変わってくれないことだろう。宿題をやるように言ってもなかなかやらないし、兄弟喧嘩をするなと言っても相変わらず喧嘩しあっているし。自分の方が人生を知っているのだからと思って色々アドバイスをしても、どうしても変わってくれない。

 

 

「スイッチ〜変われないを変える方法」という本があって、これは「他人にどうやって働き変えたら良いか」についての本である。感情を象、理性を象使い、環境を道筋に例えて説明している。「象は力が強いので、象使いがいくら引っ張っても言うことを聞かない」というのは、この本の一番の名文句だと思う。

 

 

 

 

子育てについての悩みを解決しようとした場合、子どもへの働き方を変える、という方法がある。子どもが自分の都合のいいように変化するように、子どもへの対応を変えるのだ。「スイッチ〜変われないを変える方法」のような類の本はたくさんあって、こればかりではない。本屋に行けばにたようなテーマの本はたくさん見つかるし、古今東西この手の本は出版されている。

 

 

子育ての悩みを解決する方法はもう1つあって、子どもへの働きかけを抑えようとする方法である。「他人を変えることはできない」という視点に立ち、他社への介入をできるだけ押し止めるやり方である。

 

 

人は本来、他社へ介入したがる生き物である。自分の影響が及ぶ範囲を拡大したがる。自分の領土を広げたい生き物なので、歴史を見れば、どの国も領土を拡大したくて、自分の影響を広げたくて生きてきた事がわかる。世の中には自分と他人がいて、決して自分は他人になれないことがわかっているのに、他人も自分と同じように考えていると勘違いをしやすい。そんな、他人を変えようとする欲求を抑えて、「他人は他人。けっして自分の思い通りにはならない」というのが、子どもへの働きかけを抑えようとする考えである。

 

 

思えばこの2つは相反する考えである。積極的に他人を変えようとする方法と、他人への干渉を極めて消極的にしようとする考え。どちらがいいのだろうか。

 

 

どっちも大事なようで、決して1つには決められないと思える。じゃあどうするかと言うと、スティーブ・ジョブズの言葉を思い出してみよう。「もし今日が人生最後の日だったら、今日やることは本当にしたいことなのか?」だ。

 

 

「もし今日が人生最後の日だとしたら、それでも自分は子どもを変えようと思うのだろうか。それとも子どもへの干渉を抑えようと思うのだろうか」と。

 

 

そう考えると、「他人は変えられない」という気持ちの方が強いのではないだろうか。

 

 

僕は、子どもにはできるだけ干渉しないのが、優しさのある子育てであって、目指すべき子育てなのだと思う。セネカが言うように最も破壊的な衝動が怒りだし、怒りは絶対的に忌むべき感情だと思うけど、この怒りがどこから来るのかというと、「他人を自分の思い通りに動かしたいけど動かせない」「自分の思い通りにいかない」というところから来る。

 

 

犯罪や非行の源泉は怒りだけど、怒りの源泉は「自分の思い通りにいかない」なのだ。

 

 

だいたい、「自分が子どもに何か教えられる立場にある」というのは、親のおごりだと思う。何かを教える立場にある人は、教えられる側よりも優れていなければならないが、どうして親のほうが子どもよりも優れていると言えよう。

 

 

確かに親は20年や30年、子どもよりも先に生まれてきて、子どもよりも長くこの世で生きている。その間の出来事を経験として蓄積している。けれど、その蓄積がこの先の20年や30年も役に立つとどうしてわかるのだろうか。

 

 

子どもが生きていく将来に、自分の過去が役に立つとどうして言えるのだろうか。確かにいつの時代にも求められる普遍のものはあるのかもしれないけれど、自分が子どもに教えようとしてる物が普遍のものだとどうしてわかるのだろうか。

 

 

もしかしたら、自分の考えが偏っているだけかもしれない。自分が過去にこだわっているだけかもしれない。人は自分の故郷を恋しがるし、意味もなく自分の人生が正しいとか、自分の選択が正解だと思う生き物なので、子どもに教えようとしているものが自分の考えの隔たりからくるものだということは十分に言えるだろう。

 

 

そう考えると、変わろうとしない子どもを変えようとするのではなく、子どもを変えようとする気持ちを抑えるほうが懸命なのではないか。

 

 

「もし今日が人生最後の日だったら‥」は使い勝手が良い。揺れる自分の気持をはっきりさせてくれる。やるべき事とやるべきでない事の見分けがつくようになる。

 

 


 

 

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