シャブを出してからおいで

2019.02.27 (水)

「〇〇警察署の者ですけど、ちょっとよろしいですか?」

 

 

なんて警察官から声をかけられた事、あるんではないでしょうか。そう、職務質問です。制服を着た警察官が街を歩っている人なんかに声を掛けて色々と質問したり、持っている物を見せてもらって、犯罪者じゃないかってのを確認する事。それが職務質問です。よく「職質」って言われているアレです。この職質について話してみたいと思います。

 

 

職質は、違和感から始まります。街中を歩いていたり、パトカーでパトロールをしている最中に感じる「アレ?」とか「ちょっとおかしいな」とか「これってどうしてなんだろう」っていう小さな引っかかり。そこから職質っていうのは始まるんです。

 

 

警察官は、街中を歩いたりパトカーでパトロールをしている際に、「あいつが犯人だ」って分かるわけではありません。もちろん中には「あいつは犯罪を犯している犯人だ」って確信を持ってから職質に入ることがあるかもしれませんが、そんなケースは稀です。

 

 

ほとんどは、「犯人かどうかなんて分からない、だけど何か違和感を感じる」っていう状態からスタートします。「今の人、目をそらさなかった?」とか「どうして夜中に車がずっと止まっているんだろう?」とか「今の人、なんで逃げるように早足なんだろう」っていう曖昧でフワフワした理由から入るんです。もちろん、違和感なんて本当にあてにならないものです。「アレ?」と思って話しかけても、勘違いであったり、犯罪とはなんの関係もないことがほとんどです。

 

 

職質の過程で、犯人かどうかを確認していくんです。名前を確認して、手配がある人間じゃないかどうを調べて。それから所持品検査をして、洋服のポケットの中やベルトの裏なんかに悪い物を隠していないかを調べて。車の中の運転席周りやトランクをチェックして、悪いものを物を隠し持っていないかどうかを調べます。

 

 

悪い物っていうのは、例えば、禁制品と言われる大麻や、ナイフや、銃だったり。禁制品は持っているだけで犯罪になります。それから、例えば大量の現金が財布の中に入っていたら「このお金どうしたの?」って話になりますし、車内に血がついていたり、他人のクレジットカードを持っていたら、返答次第では十分に犯罪になり得ます。

 

 

それから、禁制品の代名詞と言えば「シャブ」と言われる覚醒剤です。シャブは見つけるのが難しいですし、社会的な反響も大きいので、見つけたら表彰物です。シャブは一回使い始めると止められなくなるので、常習者は常にシャブをに持っていないとダメなんです。バッグの中とか、運転する車の中とか、常に近くにシャブを置いていないと落ち着かなくなるんです。

 

 

「常に持っていたい、だけど警察官には捕まりたくない。」っていう心理です。覚醒剤を使う事を「シャブを食う」って言いますが、シャブを食っている人間は、あの手この手を使ってシャブを隠します。缶コーヒーの底が二重底になっていたり、ズボンの裾に縫い付けてあったり。

 

 

すぐに暴れて逃げるっていうのも、シャブを捕まえるのが難しい理由の一つです。シャブを食っている人間は性格が粗暴になります。それだけシャブは、常習性が高いんです。止められなくなるんです。シャブを買うためならなんでもするようになるんです。

 

 

警察に捕まったらシャブを食えなくなりますから、逃げる際も必死です。シャブを食っている人間は、逃げる際はなりふり構わず逃げます。逃げる際に通行人にぶつかろうが、車にぶつかろうが、お構い無し。だから警察官も手を出しづらいんです。

 

 

この職質ですが、私は常々思っているんですけど、ビジネスに似ているって思うんです。「やってみることが大事」なんです。失敗してもいいから、とりあえずやってみる事。成功するかどうかは、やってみなければ分からないんです。

 

 

だけど、ビジネスではなかなかこの「やってみる」事ができません。頭の中で構想はねるんですけど、実際に行動に移す事ができる人は、ごくわずかです。失敗してもいいので、ダメ元でやってみればいいんですけど、それがなかなかできない。

 

 

皆んな、人目を気にするんですよね。「格好悪いところを見せたくない」とか「失敗したら笑われるんじゃないか」など、周りを気にしてしまって、なかなか行動に移せません。企画案を出すって事一つにしろ、やってみればいいんです。その企画が通るかどうかなんて、出してみなければ分からないんです。少なからず頭にはモヤっとした案があるんでしょうから、出してみればいい。だけどそんな一つの事が「通らなかったら嫌だな」ってな不安でできなくなってしまうんです。

 

 

職質もこれと一緒です。失敗を気にして、なかなか行動に移せないんです。職質をされて気分がいい人なんていません。だから職質をされた人は大抵、警察官に対して悪態をつきます。暴言を吐きます。「なんでそんな面倒な事をさせるんだ」とか「所持品を見せて何もなかったらどうしてくれるんだ」なんて言われるのは日常茶飯事。職質は、そんな不安との戦いでもあります。

 

 

違和感っていうのは、すぐに頭からなくなります。アイディアと一緒です。次の瞬間には頭から無くなてしまって、すぐに忘れてしまうものです。「今思いついたの何だっけかなぁ」と思い出そうとしても、なかなか出てきません。

 

 

違和感は、次の瞬間にはなくなってしまう曖昧なもの。だから、不安を打ち消して、頭からなくなる前に行動に移す事が大事なんです。違和感を感じて職質しようと思っても、「また暴言を吐かれるんじゃないか」「また勘違いかもしれない」っていう不安が覆いかぶさってきます。その迷いや不安をぬぐい去って行動に移せるかどうかが、警察官の華とも言われる「職質からの逮捕」を成功させる鍵になります。実際に職質したり、同僚に相談したり、相手に近づいてみたりして、行動に移すんです。

 

 

職質はトライアンドエラーの繰り返しなんです。失敗を繰り返す事で精度が上がるし、犯人を見る目が養われます。警察官の中には職質が得意って人もいて、そんな人はよく犯人に当たります。大抵の警察官は職質しても職質しても犯人に当たらないのに、得意な人は勤務する度に誰かを捕まえてきます。

 

 

職質が得意な理由を聞いてみても、はっきりとした理由は返ってきません。「なんとなく」とか「たまたま偶然」っていう曖昧なものです。だけど職質が得意な人に共通しているのは、職質の回数が多いって事でしょうか。やはり、トライアンドエラーの繰り返しでしかないようです。トライアンドエラーを繰り返す事で、いずれ犯人に当たるでしょうし、過去の教訓や失敗を活かせるようになっていくんでしょう。

 

 

ちなみに、パトカーに乗っている警察官っていうのは、職質が得意な人が多いです。パトカーに乗ると動ける範囲が広くなるんで、職質する相手を見つけやすくなる。パトカー勤務員に選ばれるっていうのは、職質の腕、あるいは職質の将来性を認められたってことになります。パトカーに乗る事は、若手の警察官には一つのステータスなんです。私もパトカー勤務員だったんですけど、パトカーに乗りたいっていう若手がいたら、「職質で犯人を捕まえられるようになったら乗せてやるよ」って言うでしょう。「シャブの一つでも出してからおいで」です。

 


 

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