初発型非行の統計データを読むと

2020.01.29 (水)

初発型非行とは、入り口になりやすい非行のことです。

 

 

非行っていうのは、ざっくりと言ってしまうと子どもの犯罪、ということなんです。だから、非行の種類としては、「犯罪の数だけある」ということになります。その中で「初発型非行」っていう枠でくくられるものもありまして、それは

・万引

・オートバイ盗

・自転車盗

・占有離脱物横領

となります。

 

 

若干解説しますと、オートバイ盗は、そんなにハードルが低くないです。難しいです。オートバイを盗むには、仲間も必要ですし、他の初発型非行ほど簡単ではないのかなと思います。オートバイを盗むには、「何から何まで一人でやっている」というのも、まあ無くはないんでしょうが、「仲間とやっている」と考えたほうが自然ではあります。

 

 

オートバイを盗む方法なんて、悪い仲間から教えられるものです。鍵穴をいじったり、原付きを壊す作業も必要になるので、「誰かから教えられる」過程が必ずあるはずです。それに、「どのオートバイを盗むか」は、一人ではなかなかできないと思うんですよ。そこら中に盗めるオートバイが転がっているかというと、そうでもないですし。盗める状態のオートバイが、盗める環境で置いてある必要があります。それを見つけるには、子ども一人だけでは難しいでしょう。それと見張りも必要でしょうし。5分くらい、頭を下げてオートバイを盗む作業に取り掛かるんで、その間は無防備になります。周りを見張っていてくれる仲間がいるとやりやすいでしょう。

 

 

というわけで、確かにオートバイ盗は子どもがやってそうな犯罪ですし、実際に悪ガキというのはオートバイを盗めることにステータスを感じるようです。「どうやって盗むの?」なんて聞くと、「そんなもん簡単だよ」なんて言って得意げに話したりしますし。「オートバイを盗める」っていうのは、「エンジンに関する知識ももっている、しかもワルである」かのようで、格好良く感じるのでしょう。

 

 

それと、占有離脱物横領ってのは何かというと、感覚的には自転車盗と同じです。やっていることは自転車盗と代わりはないのですが、本当の持ち主から自転車を盗むのが、自転車盗。盗まれた自転車をさらに別の人間が盗むのが、占有離脱物横領となり、こちらは詐欺です。「自分の所有物であるかのように振る舞う」っていう意味の割合が大きくなるイメージですね。

 

 

盗まれた自転車っていうのは、世の中にたくさんあって、その割合は高いです。スーパーの駐輪場、駅の駐輪場なんかには、持ち主が誰のものかわからない自転車がたくさんあります。そんな自転車を「自分の自転車としてもっていく」のが占有離脱物横領です。どちらも変わらないんですよね。ただ罪名が違うだけで。「他人の自転車を盗む」という意味では、何も違わない。けれど犯罪の性質上、犯罪を分類する上で、自転車盗という窃盗と、占有離脱物横領という詐欺に分かれるのです。

 

 

警察庁のホームページに少年非行に関する統計データがありまして、最新のデータは「平成30年」になってますね。このデータの中で刑法犯の少年犯罪を、初発型非行というくくりで統計をとっています。それを見ると、「刑法犯少年総数の5割を占めている」と。

 

平成30年は、少年の刑法犯の総数が23,489人で、そのうち初発型非行で検挙された人員が、12,616人。これが53.7パーセントということですね。平成30年の初発型非行のうち、万引が6,418件、オートバイ盗が1,058件、自転車盗が2,589件、占有離脱物横領が2,551件となっています。自転車盗と占有離脱物横領を合わせると5,140件でして、万引きと自転車を盗む行為がほとんどを占めますね。

 

 

私の感覚からいうと、オートバイ盗は初発型非行の中でも、非行度は高いほうなので、「犯罪」という線引きで見ると、自転車盗と万引きがキーになるのかもしれませんね。まあでも少年非行なんて、「犯罪」としては統計されない、「犯罪」としては分類されないグレーゾーンの悪行がほとんどでしょうし、むしろタチが悪いのはそっちだったりします。初発型非行はあくまでも一側面として見るのがいいでしょうね。

 

 

そう言えば、少年の刑法犯総数に対する初発型非行の割合は、年々減ってきていますね。

平成21年が72.4パーセント

平成22年が72.0パーセント

平成23年が70.2パーセント

平成24年が66.2パーセント

平成25年が63.8パーセント

平成26年が62.1パーセント

平成27年が60.3パーセント

平成28年が57.3パーセント

平成29年が56.9パーセント

平成30年が53.7パーセント

 

 

昔は初発型非行の占める割合が7割強もあったんですね。それが今では5割。ということは、少年犯罪にしても、犯罪の多様化が進んでいる、入り口の多様化が進んでいる、ということでしょうか。犯罪者への入り口としての初発型非行は、そのくくりの意味を年々、失ってきているのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

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