抽象的な情報と、具体的な日常のギャップ〜名画で学ぶ主婦業
面白い本ですよ。初読が電車の中だったので、笑いをこらえるのに必死でした。歯を食いしばって涙を流していたんで、周りの乗客の人たちは「どうしたんだろう?」って思って私のことを見ていたと思います。
具体と抽象の話でいくと、この本っていうのは「抽象的な情報と、具体的な日常の往復」なわけです。だから「あるある!」ってなるんでしょうね。これは別に「絵画自体が抽象的だ」とか「これは抽象画」とか言っているのではありません。目の前のものを具体的に描いていた時代の絵画がほとんどですから。
絵画を見て受け取る際の情報っていうのは抽象的です。別に「どこの誰」っていう具体的に特定の人物や家庭を名指ししているわけではありません。ですけど、読む方としては「うちにもこんな事がある!」って、自分の事や自分の子ども、自分の家庭とリンクさせて考える事ができる。
この抽象性をいかにリンクさせるか、この一般性をいかに具体に落とし込めるかが、「あるある!」を出せるかどうかなんだと思います。例えば、裸の女性が海の上に横たわって、周りに赤ちゃんのような天使が4人くらい飛んでいる絵がありました。
絵画的には、海の泡から生まれたヴィーナスを天使が祝福している、っていう絵だったと思います。うろ覚えですが。この絵は特定のどこかの家庭の日常を描いたのではありませんし、今我々がいる現代のことを描いているのではもちろんありません。
だけどこの絵にツイートする人は、この絵を日常にリンクさせたんです。モヤモヤってした絵画からの情報を、自身のいつもの風景と「一緒だ」と思ったんです。その時に見えた一部分、周りを飛んでいる天使の目、天使の動き、これを自分の子どもたちとリンクさせたんです。横たわっている女性の表情や体の様子から、いつもの自分を想像したんです。
特定に向けたものでない絵画から、自分の日常っていう特定の場面を想像する事ができた。そこにギャップをまたぐジャンプが生まれたんです。抽象と具体っていう距離が離れているものを、共通点でひとくくりにしてしまったんです。
女性の周りを赤ちゃんのような天使が4人も騒がしそうに飛んでることから「うざそう」って思ったのかもしれません。横たわっているヴィーナスから、「疲れているのかな」って思ったのかもしれません。天使とヴィーナスの距離関係から、「赤ちゃんがもっと離れれば女性も休めるのに」って思ったのかもしれません。
こんな風に、絵画からの抽象的なメッセージを自身の具体的な日常にリンクさせる、っていうのがギャップを生んで、このギャップから面白さが出てくるんじゃないかと。そんなことを、この本を読んで思いました。
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