非行の種類について
非行とは3つです。犯罪少年、触法少年、ぐ犯少年のことを非行といいます。14歳以上で20未満の子どもが法律を犯した場合、その子どものことを犯罪少年といいます。14歳以下の子どもが法律を犯した場合は、その子どものことを触法少年といいます。まだ法律違反を犯していないけれど犯すことが予想される子どものことをぐ犯(虞犯)少年といいます。
で、これだと「じゃあ犯罪って何なの?」ってなりますよね。こうなってくると言葉遊び、というか「広い意味では」とか「狭い意味では」なんかも出てくるので一概にはいえなくなります。「犯罪とは何か」っていうのは実はとても難しい問いでして、この問いは考えれば考えるほど深いものでもあるんです。
「犯罪とは何か」について勉強しようとすると、一番初めに出てくる言葉が、「犯罪とは、構成要件に該当する有責・違法な行為」です。その行為が犯罪であるかどうかは、とりあえずは「構成要件に該当する有責・違法な行為」である必要があるんです。
警察官をしていた際、時々「この人、逮捕してください」なんてケンカの現場で言われたりしたことがあるんですけど、そんなに簡単にできないです。逮捕するにはとりあえずは犯罪者であることが必要なんですけど、犯罪者であるためにはその人の行為が「構成要件に該当する有責・違法な行為」である必要があるんです。「気に入らないから逮捕」とか「うちの家訓に背いたから逮捕」とか。あるいは「会社の規定に反したから逮捕」とか「村の掟を破ったから逮捕」とか、そんなのはありえないんです。
で、「構成要件に該当する有責・違法な行為」であるためには、3つのフィルターをクリアしなければなりません。「その行為が構成要件に該当するか」と「その行為が有責か」と「その行為が違法か」の3つです。
まず一つ目、「その行為が構成要件に該当するか」のフィルターですが、これは、「条文に犯罪として記載されている行為か」です。あらかじめ刑法なり特別法なりに「これは犯罪ですよ」と記載されているものでなければ、犯罪とはなり得ません。だから、自分が気に入らないからといって、勝手に犯罪にするわけにはいかないんです。おそらく、この辺からして勘違いしている人は多いと思われます。
その次が、「その行為が有責か」のフィルターです。これは、「その行為をした人に責任があるか」ということです。「責任があるかどうか」という問題でよく言われるのが、「精神的に十分でなく責任がない」というケースです。例えば、心神喪失状態だったとか、責任能力がなかったとか。
最後に「その行為が違法か」というフィルターです。正当防衛だったりした場合は、違法性がないでしょうし、医者の施術とか、ボクシングの試合とか。医者の施術を見て、「殺人だ!」と騒いでもそんなことはないでしょうし、。ボクシングの試合を見て「暴行だ!」とか「障害だ!」とか騒いでもそんなことはありません。
とまあ、こんな風に、最低限でも、この3つのフィルターをクリアしないことには、犯罪にはならないわけです。犯罪構成要件に該当するかどうかは、とりあえずは基本として刑法に該当するかどうかです。それに該当しなければ次は特別法に該当するかどうかです。刑法はよく聞く「窃盗罪」とか「暴行罪」とか「殺人罪」とかを記載している法律です。
で、刑法以外にも刑罰が定められている法律があって、それらは特別法と呼ばれます。特別法は刑法に比べて結構頻繁に、時代を映して変わります。代表的な特別法としは、軽犯罪法、覚せい剤取締法、銃砲刀剣類所持等取締法、破壊活動防止法、売春防止法、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律、などです。
これらに該当しなくて初めて「その人の行為は犯罪ではない」となるのであって、その相手が子どもであった場合は「非行ではない」となるのです。非行になるかどうかは「何を犯罪というのか」「どんな時に犯罪というのか」「犯罪の種類にはどんなものがあるのか」を知らないとわかりません。が、それを厳密に知っているのは、法律畑にいる人だけです。
我々は勝手に「これは法律違反だ」「この行為は逮捕されるべきだ」「うちの子は非行に走った」とか考えがちですが、本当にそうであるかどうかは、結構難しい問題でもあるんです。
「素直さ」を考えるセミナーを定期的に開催しています。スケジュール・詳細はこちらをご覧ください。
自己中が思いやりに、
生真面目が寛容に、
怒りっぽさが優しさに、
そして非行が素直に変わります。
心よりお待ちしております。
[contact-form-7 id=”10255″ title=”セミナー申込みフォーム”]
30分の無料相談を承っています。子ども、非行、犯罪、警察対応、などのキーワードで気になりましたらご利用ください。基本はウェブ会議アプリを使ってのオンラインですが、電話や面談も対応できます。
モヤモヤ状態のあなたが、イキイキとする無料相談です。次の一歩を踏み出すために、お気軽にお問い合わせください。
下記お問い合わせフォームで「相談希望」である旨をお知らせ下さい。
[contact-form-7 id=”2700″ title=”お問い合わせ”]
プレゼントの無料小冊子を更新しました。「子どもの非行を防ぐための素直な頭のつくり方」です。
非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。
子どもは周りから吸収する度合いが強いので、子どもの成長は周りの大人次第の側面があります。「周りの大人が自己中から脱し、素直な頭を持つ事で、接する子どもにも好影響を与えよう」というのが、この小冊子の狙いになります。
頭の柔軟性があり、状況や相手に応じて変化できる事。自分だけでなく、相手の考えも認める事ができる事。一つ上から全体を俯瞰できる事。そんな「素直な頭」をつくるための気づきを、この小冊子から得ていただければと思います。
[contact-form-7 id=”4057″ title=”小冊子ダウンロード”]
関連する投稿
- 犯罪を引き起こす要因、犯罪を減らす方法
- 犯罪をなくすためにできること。犯罪を3つに分類して対処する
- 金、地位、名誉をバカにする態度。「高踏的」を紹介する
- 非行グループから息子を離したいのですが、良い方法ありませんか?
- たとえば、子どもに無理にご飯をたべさせることの功罪
現在の記事: 非行の種類について