それってたまたまじゃね?〜働き方完全無双
ワンチャンスを狙う生き方を進めている本です。しぶとく生きていて、虎視眈々とブレイクを狙う、という意味なのだと思います。そんなにお金を掛けた生活をせずに生活するんです。最低限とは言いませんが、贅沢をせずに権利をフル活用して、ドカンとくる瞬間を待つ、という意味で私は読みました。
というのも、ブレイクするかどうかに理由はないそうです。私も共感します。全ては運次第だと思いますし、著者もそのようなことを言っています。著者は2チャンネルやニコニコ動画を作った人として有名ですが、それらの人気サイトを作れた要員として、「たまたま」という表現を使っています。
似たようなことをしている人は多くいたが、「たまたま長く続けていたのが自分だった」そうです。だから、何がブレイクするかは分からないのです。もっともらしい理由はいくらでも後付けできるでしょう。「マーケティングがよかった」とか「コンテンツがよかった」とか。
ですが、結局は「たまたまそこにいたから」というのが著者の見解です。本書で著者は、自身の例の他に、かつてヨーロッパが世界を圧巻したことも例にして持ち出しています。「地政学的にたまたまそこ(有利な場所)にいたのがヨーロッパの人たちだった。」ということです。
もう一つ、本書で面白かったのは、「個人の問題」と「社会の問題」を切り離して考える、ということです。例えば、生活保護をもらっている人に対して色々なバッシングがあります。「生活保護をもらっているのにのうのうと生活している」とか「生活保護をもらっているのに、仕事を探そうとしない」というもの。
それに対する答えとしては「知ったこっちゃねぇ」が正解だそうです。権利として認められているのだから、個人が権利を追求するのは当たり前だとのこと。もしそれが間違っているのなら、それを見直さなければならないのは社会の方です。
生活保護をもらっていながらのうのうと生活しているのがダメなのなら、のうのうと生活することに対して罰則を作るべきであって、それは行政に関わる人間がやらなければならないことだそうです。
すぐに共感できるわけではありませんが、それも一つの考えだと私も思います。個人が認められている権利を追求することは、純粋に尊いことだと思います。それを外野からいくらヤジを飛ばしたところで、犬の遠吠えなのかもしれません。
私も仕事柄、よく個人と社会の問題を間近に感じます。社会的におこぼれをもらっておきながら、それに感謝すらせずに「当たり前だろ」という顔でいる人間です。今まで私は、「そのような人たちは、社会に対しての感謝を忘れてはならない」などとぼんやりと思っていたのですが、そうでもないのかもしれません。
個人<社会と考えていたのですが、そうでもないのかもしれません。社会の問題よりも個人の問題を優先して考えるのが自然だし、その方がうまくいくのかも、とすら思います。全体の利益よりも、それぞれが一部の利益を追求していれば、それはそれで何とかなるのかもしれませんね。
プレゼントの無料小冊子を更新しました。「子どもの非行を防ぐための素直な頭のつくり方」です。
非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。
子どもは周りから吸収する度合いが強いので、子どもの成長は周りの大人次第の側面があります。「周りの大人が自己中から脱し、素直な頭を持つ事で、接する子どもにも好影響を与えよう」というのが、この小冊子の狙いになります。
頭の柔軟性があり、状況や相手に応じて変化できる事。自分だけでなく、相手の考えも認める事ができる事。一つ上から全体を俯瞰できる事。そんな「素直な頭」をつくるための気づきを、この小冊子から得ていただければと思います。
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