子どもを叩いてしまう
「子どもを叩いてしまいます。2歳の子どもがいます。焦っている時、どうしてもやらなくてはならないことがあるのにあまりに泣き喚きながら身動きが取れないようひっついて来ることがあり、そういった時に子どもを叩いてしまいます。カッとなってやってしまうのに「これくらいの強さでなら怪我はしないから大丈夫」と思ってやってしまいます。叩いたりすること自体、ダメなことはわかっています。どうしたら叩くのを止められるのか分かりません」
まずは、自分だけではないことを知ることです。世の中には多くの家庭があって親子があります。で、その多くの人がSNSで発信しています。目につきやすい広告やメディアにも理想の家庭や親子関係の様子が流れています。でも、それらだけを世の中の一般的だと思わないことです。
基本的にSNSで発信する内容は、自分の生活の上位9割の部分です。自分のいい所、成功した所、他より優れている所しか発信はしないので、発信された内容がその人の全てだと思わないことです。発信されている内容は、その人のごくごく一部でしかありません。
しかも、我々は人を羨ましがるように作られていますから、なんでもない情報を見ても、羨ましがるようにできています。世の中に溢れている、いい所だけが発信されている情報。さらにそれを見て、我々はいい所が気になるようにできている。
他人の家庭は素晴らしく思えるし、世の中には素晴らしい親子関係が溢れている、と思ってしまうかもしれませんが、そんなことはありません。世の中はもっと複雑だし、もっと汚いし、もっとドロドロしています。外面だけ整えて中身はぐちゃぐちゃ、というのが、世の中に溢れている一般的な親子関係、家庭の姿です。警察官をやってきて色々な家庭に入ってみてきましたが、皆んな、「表面の人目につくところだけ、どうにか保っている」という状況です。
だから、子どもを叩いてしまうことに対して、「自分はなんてダメな人間なんだ」とか「自分はダメな親だ」などと思わないことです。そういう攻撃的な側面が人間にはある、というだけのことです。別に子どもを攻撃することを肯定するわけではありませんが、攻撃的な部分を否定しようとすると、建前で物事を考えるようになります。事実は事実、本音は本音として、「そんなもんだ」と見ておく必要があります。
ありふれた言い方になるかもしれませんが、まずは「ありのまま」の自分を見る必要があるのです。いい母親、いい家庭を装っては、改善できるものも改善できません。医者も治療をするには、まずは現状がどうであるのかを正確に理解しなければならないでしょう。まずは現状の把握なのです。
で、どうしたらいいのか。現状の把握をした上でどうしたらいいのか。表面的、テクニック的には、いくつか方法があるでしょう。即効性のある対処法が。時間をおくとか、距離をおくとか、自分を叩いてみるとか、物に八つ当たりするとか。確かにこれらには即効性があり、今日すぐにでも実行できそうです。が、根本的に自分を変えられるものではありません。
その都度、叩きたくなる度に取り出さなければならない方法ですし、これらの対処法を実行したところで、叩きたくなる頻度は変わらないでしょう。
ではどうすればいいのか。それは自分で考えることです。丸投げでもなんでもありません。自分の生き方の根本を変える、大事なところです。現状を把握して、現実を見ること。その上で「どうしたらいいのか」を考えるのです。
自分向き合う時間、自問自答する時間を取りましょう。1日に10分程度では足りないでしょう。せめて30分程度のまとまった時間をとって、頭の中にグルグルと思考の嵐を呼び起こすような、濃密な時間を作って「どうしたらいいのか」を考えます。
そうすれば、おそらく自分にはストックがないことに気づくはずです。自分には物事を考えるだけの材料がない。自分にはまだまだ足りない部分がある。考えようにも考えるだけの知見がない。そんな風に思えるはずです。
そうしたら今度はインプットです。視野を広く持つためのスタートです。ネットで検索してもいいし、ユーチューブで検索してもいいし、本屋に行ってもいいし。色々な情報、考え、アイディア、人の意見を取り入れましょう。時間はどんどん少なくなるはずです。1日にしなければならない量も増えます。1日に30分程度では足りないことに気づくはずです。そうしたら今度は、「時間を増やすにはどうしたらいいのか」も同時並行で考えましょう。時間単位あたりの生産性を高めて、少ない時間で濃い解決策を出すにはどうしたらいいのか。
その繰り返しが、あなたの人間性を高めてくれるものですし、成長と言われるものです。「子どもを叩きたくなる自分をどうしたらいいのか」を、自分でも考えられるようになっているはずです。「子どもを叩くなんてとんでもない!」と言ってくる周囲との付き合い方も見えてくるはずです。
自分の生き方を変えるための、根本的な「どうしたらいいのか」には、まずは現状を素直に受け入れること。その上で「どうしたらいいのか」を自分で考えることです。自分の生き方は自分で決める自分で選ぶ、自分が舵を取る。そんな姿勢を子どもに見せることも大事なところです。
「素直さ」を考えるセミナーを定期的に開催しています。スケジュール・詳細はこちらをご覧ください。
自己中が思いやりに、
生真面目が寛容に、
怒りっぽさが優しさに、
そして非行が素直に変わります。
心よりお待ちしております。
[contact-form-7 id=”10255″ title=”セミナー申込みフォーム”]
30分の無料相談を承っています。子ども、非行、犯罪、警察対応、などのキーワードで気になりましたらご利用ください。基本はウェブ会議アプリを使ってのオンラインですが、電話や面談も対応できます。
モヤモヤ状態のあなたが、イキイキとする無料相談です。次の一歩を踏み出すために、お気軽にお問い合わせください。
下記お問い合わせフォームで「相談希望」である旨をお知らせ下さい。
[contact-form-7 id=”2700″ title=”お問い合わせ”]
プレゼントの無料小冊子を更新しました。「子どもの非行を防ぐための素直な頭のつくり方」です。
非行に走る子どもは自己中が多いです。頭が固く、自分の価値観に固執しています。周りの人間の価値観や考えを受け入れられず、自分を通そうとします。自分以外の価値観や考えがあること自体が、見えていないのです。自分が正しくて、自分以外の考えは間違いだという先入観から抜けられない状態です。
子どもは周りから吸収する度合いが強いので、子どもの成長は周りの大人次第の側面があります。「周りの大人が自己中から脱し、素直な頭を持つ事で、接する子どもにも好影響を与えよう」というのが、この小冊子の狙いになります。
頭の柔軟性があり、状況や相手に応じて変化できる事。自分だけでなく、相手の考えも認める事ができる事。一つ上から全体を俯瞰できる事。そんな「素直な頭」をつくるための気づきを、この小冊子から得ていただければと思います。
[contact-form-7 id=”4057″ title=”小冊子ダウンロード”]
関連する投稿
- 子育てとは「シュレディンガーの猫」のようなものである
- マイクラを活かすのは文章表現だ。自分の好きを人生に繋げる接着剤
- 「テニスの王子様」越前南次郎。優しさとは距離をとることだ。
- 育児を楽にするには距離を置くことであって、そのためには書くことだ
- 子どもに与えたい、多様化の時代に必要な能力とは
現在の記事: 子どもを叩いてしまう