犯罪や非行発生の原因、理論
犯罪学のはじまり
18世紀のヨーロッパで生まれる。
それまでの犯罪者とは、権力者の気まぐれで処分するような自分勝手なものだった。これではだめだと思い、犯罪や処罰に対する客観性をもたせようとしたのが始まり。これによって考えられたのが、罪刑法定原則、適正手続、定期刑、犯罪者と刑罰の均衡、などである。
今では当たり前と思えるものでも、他の権利と同じく、歴史の中で育まれたものである。人類がいつの間にか手に入れていたものではなく、権力者による圧制の中から、獲得しようとして獲得されたものである。根底にあるのは、自由意志である。自由意志を持って犯罪を犯したのだから、犯罪を犯したことによる道徳的責任を負わなくてはならない。
生物学的なアプローチ
ヨーロッパで科学が生まれてダーウィニズムの影響があり、科学的な見地から犯罪を解き明かそうとするもの。犯罪者にスポットが当てられた。キーワードは進化論、優生学、自然選択、統計学、医学など。この考えによると、犯罪者は生来決まっていることになる。
この辺りから、犯罪者には刑務所ではなく精神病院の方がいいのでは、という考えも生まれた。
地域性理論
犯罪には地域性が関わっている、という理論。一つの都市を例にとっても、犯罪率が高い地域と低い地域がある。スラムがあって、不登校率が高い地域もあり、病気の感染率が高い地域もある。規範意識が高い地位もあれば、そうでない地域もある。
こういう地域性の中で、社会のシステムが解体することによって、犯罪が発生する。
葛藤理論
何が犯罪化は文化によって違うので、移民が犯罪だとは理解できずに犯罪を犯してしまうケースも。あるいは、移動して来た先で犯罪だと思われる行為でも、生来の自分の文化では犯罪ではないものは、従いにくく、葛藤が生まれる。
社会的緊張理論
僕たちの社会には、目標が予め設定されている。誰でもお金がないよりかはあったほうがいいし、勉強はできたほうが、できないよりかはいい。けれど、誰にでも成功への道が用意されているかというと、そうではない。社会的に成功への道が用意されていない人たちもいる。
「成功したい、けれど道がない」という不均衡的配分状態をアノミーという。こんなときに、犯罪は行われやすい。「ズルをしてでも」とか、「合法的に用意されていないなら非合法的に」と思うのだろう。
言い訳理論
人は誰でも、犯罪をするかもしれない。けれどしない。犯罪をするかしないかは、自分の逸脱行為が正当化できる言い訳がそとった時になされる。
「コレは仕方がないんだ」という責任の否定、「やったところで大したことじゃないじゃないか」という傷害の否定、「悪いのはむしろ向こうだ」という被害者の否定、「警察はしょうもない組織だ」という避難する者への非難、「オレは●●さんを知っているんだぞ」というより高い忠誠心の誇示。
ラベリング理論
犯罪者のレッテルを貼ることによって、犯罪者が生まれる。社会的問題が出てきて、人々の興味関心が向けられたことで、異性に対する積極的なアプローチがストーカー行為という犯罪になったのである。
社会には偏見があるので、公平に見ているつもりでもひいきが存在する。悪い人のよう見える人は、損をすることになる。
一回でも悪いことをすれば、不良のように見られるようになるし、不良と見られることに高揚感を覚える。
きずな理論
犯罪を防ぐには、きずなが必要である。まずは愛着である。両親への愛着、学校への愛着、仲間への愛着が基盤となって、他のきずなを形成する。
自分のキャリアや人生に投資するようになり、犯罪をして道を踏み外す事に抵抗が出る。犯罪が、自分の人生にとって割に合わないと判断される。
巻き込みというきずなもあり、目標ができて忙しくなれば、犯罪をしている暇もなくなる。
そうすると、規範概念というきずなが作られる。遵法精神が養われるのである。
環境犯罪理論
3つの要因がそろったときに、犯罪が発生する。「動機を持った犯罪者」と「ちょうどいい標的」と「役に立つ監視者の不在」である。
そのうち「動機を持った犯罪者」についてはコントロール不能なので、注目すべきは「ちょうどいい標的」と「役に立つ監視者の不在」である。狙われやすい環境を防ぎ、誰かの目につくような環境に身を置くことで、犯罪が発生するのを防ぐことができる。
今では当たり前に思っていることでも、そのルーツを探ると大抵、「いついつの時代にできた」という始まりを見つけることができる。この始まりを見つけることができると、それに対する客観的な視点が持てるようになり、広い考えを持てるようになる。アイディアをだすことも可能になる。
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