抽象化の3つの効果が、なぜ子どもの非行防止に関係があるのか
子どもの非行を防ぐには、物事を抽象的に考える必要がある。抽象とは、具体の反対である。具体が「ハッキリしたこと、分かりやすいこと、細かいこと、現実的なこと」を求めるのに対し、抽象は「モヤモヤしたこと、分かりにくいこと、大ざっまなこと、非現実的なこと」を求める。
なぜ子どもの非行を防ぐのに、抽象的に考えることが必要なのか。なぜ身の回りの出来事を抽象的に見る(考える)必要があるのか。抽象的に考えることの効果は、優しくなれること、視野が広がること、それが物事の芯であること、などである。
物事を抽象的に考えると、細かいことが気にならない。たとえ自分の意図したこととは違うことが子どもがやったとしても、気にならないのである。これは、「物事にはメリットと同じくらいでメリットが存在していることがわかっている」とも言える。フラットに見ることができる。客観的に考えることができるのである。細かい指摘をしなくなる。自分とは違う価値観の存在も許すことができる。すなわち優しさなのである。
さらに、抽象的に物事を考えると視野が広がる。子どものことで悩んでいたとして、例えば「子どもの粗暴な言動が気になる」などと悩んでいたとして、そればかり考えていたのでは、いい解決策は思い浮かばないだろう。いいアイディアというのは、なんでもない時にふと思い浮かぶものではないだろうか。近視眼的になっていると、解決策が見えないし、他と繋がらないのである。近視眼的になって視野が狭くなっていると、いい解決策が周りに転がっていても、それと自分の子どもとが繋がらない。いい解決策、いいアイディアといのは、繋がることで見えてくる。自分の子どもを隅々までよく見ようとすると、角ばって捉えてしまって、周りとの繋がらないものになってしまうだろう。モヤモヤとした、グニャグニャとした、薄れた、周りとつながる余地を残しておくこと。それが視野が広がることであり、自分が抱えている問題への解決策をも見えるようにしてくれるのだ。
最後に、抽象的に見ることは、物事の芯の部分をとらえることでもある。地球に例えると分かりやすいだろうか。地球の中心に核があるように、物事の大事なこと、核心部分とは、中心にあるものである。それは分かりにくい。見よう見ようとすると、目が行くのは分かりやすい表面の部分であろう。表面の部分はわかりやすい、見えやすい、捉えやすい。だけど、表面はあくまでも表面である。厚さはない。深みがない。地球の地表部分は見えやすいが、地球というでかい球体からすると、ごくごく一部分でしかないのである。核とは、見えにくい部分にある。この見えにくい部分を見ようとする行為が、抽象的な考え方なのである。表面的な分かりやすいものに囚われず、物事の芯に部分を見ようとすることである。惑わされず、囚われず。一歩引いて身の回りの出来事を見ること。そうすれば、表面的な地表に覆われたもっとその奥、核の部分をとらえることが出来るだろう。核の部分、芯の部分をとらえようとすると、目を薄めて表面的なものに囚われないようにしないと見えてこないのである。子ども自身、あるいは子どもをめぐる環境の「何が大事か」を考える際も、表面的なものに囚われないことである。表面的なものとは、人の目を奪いやすい。キャッチーなのである。だけどそこに本質はない。
子どもの非行を防ぐには、抽象的に考えることが必要なのだ。身の回りの出来事を抽象的に見る(考える)ことが必要なのだ。抽優しくなれるし、視野が広がるし、物事の芯を見ることができる。
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