「待ち伏せ取り締まりの罠にハマり、素敵な若奥さんがブチ切れ、違反切符を破いた」のは、ライターの誘導である

2020.05.10 (日)

待ち伏せ取り締まりの罠にハマり、素敵な若奥さんがブチ切れ、違反切符を破いた理由とは」っていう興味を引く記事を読んだので、これの感想について。

 

 

一体どれだけの人間がこの記事を読んで共感するのだろう。というか共感する人はいるのだろうか。僕としては全然共感できないし、「共感する」とでも言う人がいるなら、その人は犯罪者よりの人間か、あるいは文章の表側をそのまま受け取ってしまう見識の狭い人だと思ってしまう。

 

 

僕は警察官をやっていた経験があるし、今は文章を書いているので2つの視点で見るのだけれど、この記事はライターとしてもどうかと思うし、警察に対する見解も狭い。

 

 

「若奥さん」って‥

始めにライターとしての非道さだけど、誘導する感があからさまである。

30歳代、清楚で上品な若奥さんが‥

なんて書いているけれど、これはいわゆるセクハラとか性差別に引っかかるような微妙な言葉だと思う。

 

 

男から見た女性感が丸出しだし、女性がこの言葉を読んだら「気持ち悪い」と思うんじゃないだろうか。男の僕が読んでも「30歳代、清楚で上品な若奥さん」という言葉に気持ち悪さを感じるので、女性にとっては更に軽蔑感を感じるのではないかと。

 

 

読者に「違反者はかわいそうな弱者」と思わせて、「弱者に対する強者(警察)の強権」という図式を作りたいのだろうけれど。

 

 

停止線の手前5メートルは見てるもんだよ

「私が見たときは」? 妙な言い方だ。ははぁ、と私は思った。停止線の直前で停止するのが一時停止。警察官の待ち伏せ位置からは停止線の直前の状況は見えず、だから「私が見たときは」なのだな?

 

 

それと警察に対する見識の無さである。なんか、ライターの人は「自分は警察の取り締まりに慣れていますよ」「警察のやっていることはわかっていますよ」的な雰囲気を出しているのだけれど、一時停止の現認をする警察官は、一時停止線の手前5メートルくらいは、視野に入っている。

 

 

一時停止の交通取締りで結構問題になるのだけど、警察官の「止まっていない」という主張に対して否認する違反者というのは「止まった」というのは当たり前で、警察官としては「幅広く現認しているけれど止まっていなかった」っていう自身があるから「止まっていない」と主張ができるのだ。

 

 

停止線の直周辺だけ見て「止まっていない」なんていう警察官はいないと言っていい。「停止線周辺だけでなく、手前5メートルくらいは視野に入れていないと、違反者に対して『止まっていない』と強く言えない」という考えを、取り締まりをする側の警察も、前提として持っているものだ。

 

 

違反切符を破る人は滅多にいないよ

それと対象を若奥さんに持っていくけれど、切符を破る人は滅多にいない。僕もずいぶん取り締まりをしてきたけれど、どんなに怒る人でも切符を破る人には当たったことがなかった。一度、他の警察官の「切符破られた」という無線を聞いてそこの現場に行ったことがあったけれど、その時も違反者は現行犯逮捕されていたと記憶している。

 

 

否認する人は確かにいる。というか、違反を認めない人が交通取締りに置いては9割である。たまに「ありがとうございました」という人もいるけれど、それはとてもレアなこと。けれど、切符を破るという行為は、破る側の人間の精神状態が並ではない。

 

 

警察官は違反切符を切る際、常に切符を手に持っている。確かに署名押印を違反者に求めるために切符を渡しはするけれど、それは一番最後の段階。もしも違反者が初めから否認していて署名押印に応じない状況ならば警察官は、切符を違反者に渡すことはしない。

 

 

つまり、この記事の中の若奥さんは、警察官が手に持っている違反切符を奪って、それをビリっと破ったことになる。あるいは警察官が違反内容を記載中だったところを、横から奪って破いたことになる。

 

 

清楚な若奥さんが、そんなことするだろうか。人が書いている書類を横からとって破るのだから、よっぽど激昂していなければできることではない。だいたい、並の女性が男性の、しかも警察官の書類を奪うのだから、清楚な若奥さんはかなり精神的にタフな人だったと想像される。

 

 

ガックンってなるほどは停止しないよ

それと僕が思うに、

被告人「強めのブレーキを踏んでしまい、後ろ(後部座席)の娘の、お菓子が床に落ちて泣いたので…」

の部分は、若奥さんの嘘なんだと思われる。確かに一時停止というのはキチンと停止すると車がガックンってなるし、そうなるくらい停止することを警察官はドライバーに求めるのだけれど、実際にガックンって停止する人はまずいない。

 

 

一時停止線の度にガックンってなるくらい停止していたら乗っている人間が車酔いしてしまうし、上手くガックンってならないようにペダル操作で力を抜いている。

 

 

もしもガックンってなってお菓子が落ちたのだとしたら、それは一時停止線を超えて、交差点の中に入ってから急に停止したのだろう。そこまで進行しての停止は指定場所一時停止とは見なされず、取り締まりの対象になる。

 

 

誘導に引っかかる人もいないと思うのだが、あんまり真に受けないで欲しい記事である。

 

 

 


 

 

仕事依頼、絶賛受付中です。

 

犯罪、非行、警察関係、子育てなどに関しての記事執筆。人前で話すのも得意なので、講演依頼などもお待ちしています。下記お問い合わせフォームまたはメールにて承ります。

 


 

 

イライラは良くないし、できればイライラしないで生活したい。

 

感情的になりがちな性格をコントロールして、楽しく笑いながら生活するためのヒントを載せた本です。 「イライラしてはいけない」と頑張っている方々に向けて書きました。

 

電子書籍でも買えますし、紙の本(プリント・オン・デマンド)も選べます。

 

「人に優しくなれる発想法」購入ページへ

 


 

 

「犯罪と非行をなくして、思いやりを育む方法」の小冊子になります。

「こうすれば思いやりを育めるよ」「思いやりって、つまりはこんなことだよ」というのを載せました。

思いやりとは、スナイパー(狙撃手)のようなものである。35,222文字。目次はこちらで公開しています。

 

下のフォームにてお名前とメールアドレスを入力のうえ、無料でダウンロードできますので、ぜひ読んでみてください。

 

[contact-form-7 id=”4057″ title=”小冊子ダウンロード”]

 


 

 

30分の無料相談を承っております。子ども、非行、犯罪、警察対応、などのキーワードで気になりましたらご利用ください。基本はウェブ会議アプリを使ってのオンラインですが、電話や面談も対応できます。

 

モヤモヤ状態のあなたが、イキイキとする無料相談です。次の一歩を踏み出すために、お気軽にお問い合わせください。

 

下記お問い合わせフォームで「相談希望」である旨をお知らせ下さい。

[contact-form-7 id=”2700″ title=”お問い合わせ”]

 


 

 

「素直さ」を考えるセミナーを定期的に開催しています。スケジュール・詳細はこちらをご覧ください。

 

自己中が思いやりに、
生真面目が寛容に、
怒りっぽさが優しさに、
そして非行が素直に変わります。

 

心よりお待ちしております。

[contact-form-7 id=”10255″ title=”セミナー申込みフォーム”]

▼シェアをお願い致します!▼

関連する投稿

現在の記事: 「待ち伏せ取り締まりの罠にハマり、素敵な若奥さんがブチ切れ、違反切符を破いた」のは、ライターの誘導である

お問い合わせ・ご相談はこちら

メールでのお問い合わせ

contact@konokoe.com

フォームからのお問い合わせ

お問い合わせフォーム »

コラムテーマ一覧

過去のコラム

主なコラム

⇑ PAGE TOP