もっと大きな犯罪を捕まえろ! 交通違反取り締まりの文句

2020.03.29 (日)

交通違反の取り締まりをしているとよく言われる文句の一つに、「こんなことやっていないで、もっと大きな犯罪を捕まえろ!」というのがあります。

 

 

警察をやっていると文句を言われるのは日常茶飯事で、そもそも警察の仕事が逸脱した人間に対してペナルティーを課す、スポーツでいうレフェリーのようなものなので、嫌われるのも仕方がないことだと思いますが、まあとにかく一言目には文句から入る人が多いのです。

 

 

交通違反の取り締まりにはだいたい10分弱くらいかかります。違反を見つけて、車を止めて、運転手に声をかけて、交通違反の説明をして、免許証を出してもらって。そこから10分弱です。この10分というのが長くて、運転手のイライラを増幅させる時間なのです。

 

 

はじめは自分の運転の交通違反の言い訳をしていた運転手も、何を言っても言い訳としかとらえてもらず、交通違反になってしまうことがわかると、今度は警察そのものに文句を言う方法に切り替えます。何でもいいから、とにかく文句を言いたいのでしょう。

 

 

言葉遣いがなっていないとか、コロナウィルスが蔓延しているご時世でマスクをしていないとか。で、その中の鉄板の文句に、「こんなことやっていないで、もっとおおきな犯罪を捕まえろ!」というのがあるんです。

 

 

確かにテレビやインターネットを見ていると、目につくのは大きな事件や凶悪な犯罪です。歌手のマッキーこと槇原敬之や、女優の沢尻エリカや、かつてお笑いや歌手として活躍したマーシ―など、覚せい剤取締法で逮捕された芸能人のニュースが、派手に流されています。

 

 

刃物なんかをつかった事件もあり、「包丁で刺された」とか「刃物を持ってうろついている」とか「馬乗りになって」なんていうことが実際に行われているようです。

 

 

家庭に目を向ければそっちはそっちで、虐待がどこでも行われています。内縁の夫が連れ子に暴力を振るったり、産み落としてすぐさま殺してしまったり。弱者である子どもが、本来心を休められるはずの家庭で不当な暴力を受けている様子は、非常にセンセーショナルです。

 

 

こういった派手な事件に比べると、交通違反の取り締まりというのはいかにも小柄なものなのでしょう。物陰に隠れてコソコソと違反者を探して。実際に人を引いていない、事故を起こしていない、人を殺したり怪我させたりしていないにも関わらず、ペナルティーを課してくる。

 

 

交通違反というのは、倫理的に悪いことではありません。赤信号で交差点に入ったからといって、一時停止線で止まらなかったといって、運転中に携帯電話を使ったからといって、人殺しや他人にケガをさせるような、人間的に悪いことをしたわけではありません。

 

 

ルール違反なだけです。道路交通法というルールにいはんしただけです。「倫理的に悪い事をしたわけではない」という事実が、交通違反の取り締まりを「小さいこと」だと、違反者は認識するのでしょう。

 

 

これには僕的に反論があって、小さいルール違反を潰していくから大きなルール違反が防げる、ということです。確かに小さいルール違反を防いだり解決するよりも、大きなルール違反(凶悪な犯罪)を防いだり解決する方が、全体的な幸福度は高いのだと思います。

 

 

かすり傷は放おっておいても治りますが、重傷であれば大規模な治療が必要になります。かすり傷程度を治しても大幅に人生が良くなることはありませんが、重傷を治せば人生に多大なプラスの効果があります。

 

 

けれど、大きなルール違反を防ぐには、小さいルール違反を潰す、その積み重ねが大切なんです。実際に凶悪犯罪が起こってしまっては手遅れであることがほとんどです。凶悪犯罪は、過去に戻ってもとに戻すことが不可能なのです。

 

ですから、事前に起こらないようにする「防止」や「抑止」が必要なのですが、凶悪犯罪の「防止」や「抑止」が、小さいルール違反を潰すことなのです。「凶悪犯罪と交通違反では違うじゃないか」と思われるかもしれませんが、ルール違反という意味では同じです。

 

 

割れ窓理論と一緒で、軽微な犯罪を徹底的に取り締まって、風紀を乱されることなく正常に保つことで、凶悪な犯罪の発生を防ぎます。

 

 

建物の窓が割れているのを放置すると、それが「誰も地域に対して関心を払っていない」というサインになって、住民のモラルが低下するように、交通違反を放置することは、「ルール違反をしてもだれも気にしない」というサインを発することになります。

 

 

一見、小さくてコソコソしているように見える交通違反の取り締まりですが、そんな交通違反の取り締まりをするからこそ、凶悪な犯罪が防げるんです。「ルール違反をすれば警察に捕まってしまう」「ルール違反をすると、必ず誰かが見ている」という空気をつくること、意識を住民に持たせることで、社会の風紀を整えることができます。

 

 

倫理的には何も悪いことをしていない交通違反ですが、交通違反の取り締まりは十分に大きな犯罪を防いでいるんです。

 

 

 

 

 


 

 

 

イライラは良くないし、できればイライラしないで生活したい。 感情的になりがちな性格をコントロールして、楽しく笑いながら生活するためのヒントを載せた本です。 違反者や酔っぱらいなど、警察の世界にひしめく怒りっぽい人たちを観察してきた僕が、子ども相手についイライラするお父さんお母さんに向けて書きました。

 

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ようやくできました。「妄想スナイパー理論」です。タイトルは「インパクトがある方が人目につくかな」と思って、こんなタイトルにしていますが、中身は「犯罪と非行をなくして、思いやりを育む方法」になります。

 

思いやりってけっこう、掴みどころのないものだと思うんですよ。昔から「思いやりを持ちなさい」とか「思いやりが大事です」なんて周りから言われることは多いと思いますが、「それって何なの?」「それってどういうこと?」と聞かれた場合や、「どうやって持つことができるの?」と疑問に思ったときに、うまく答えられないと思うんです。

 

そこで、一つの具体案として、「思いやりとはスナイパーのようなものだ」というのを示したいと思います。スナイパーとは、遠くから銃で相手を狙う、狙撃です。思いやりとは、スナイパーのようなものなのです。もちろん、思いやりは頭の中のことなので、実際に銃なり狙撃なりはしませんが、遠くから狙うすスナイパーと思いやりは、似ているんです。

 

スナイパーと思いやりはどうして似ているのか。スナイパーと思いやりの間の共通点とは何なのか。スナイパーと思いやが似ているのだとしたら、思いやりを育むにはどうすればいいのか。そんなことを、この小冊子に載せました。35,222文字です。目次はこちらで公開しています。

 

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