夫婦というサバイバルの面白ガイドブック〜妻のトリセツ
面白かったです。「妻」という生物について、主に女性脳という視点から面白おかしく解説しています。男性と女性とでのものの考え方の違い、価値観の違い、木になるところの違い、沸点の違い。これら全ては、男と女の脳の違いによるものだとしています。
男性脳と女性脳ってものがあります。人間の二つの人種である男性と女性は、それぞれ別の脳みそを持っているんです。女性脳とはどういうものか。これを著者は、記憶を芋ずる式に記憶を取り出せる、と表現しています。一つの記憶から、次々に過去の記憶が生々しく取り出されていくのが、女性脳だというんです。
プラレールってあると思うんですけど、これっていうのは電車のおもちゃです。子ども用のプラスチックのおもちゃでして、色々な電車を無限につなげることができるんです。プラレールには色々な種類があります。山手線だったり、成田エクスプレスだったり、東北新幹線だったり。おそらく存在する電車の種類だけ、プラレールも種類があるのだと思います。これらのプラレール。種類は違えど、連結部分は一緒です。だから、違う種類の電車を、どこまでも繋げることができるんです。
昨日、近所で買ったプラレールも。一年前に旅行先で買ったプラレールも。5年前に人からもらったプラレールも。それが一つにれ結して、プラスチックレールの上を走らせることができるんです。走ってくる電車は、まさに記憶を運んでくる電車。過去の色々なところの記憶を引っさげて、電車は走ってきます。
だから、一つの嫌なこと。「冷蔵庫のあった場所にしまわない」とか、そんな目の前の些細な出来事から、それと関連づけられている過去の記憶が、まるで今日会ったことのように鮮明に出てくるのが女性脳なのだそうです。過去の記憶を連結させて走ってくるプラレールのように、過去の記憶が次々と繋がって蘇ってくるのが、女性特有の脳みそなのだそうです。
著者の、妻に対するトリセツとは、この記憶の連結をコントロールすることです。どういうことか。過去の嫌な記憶が蘇るのを抑えて、楽しかった記憶が蘇るようにコントロールすること。嫌いなプラレールが連結されて走ってくるのではなくて、好きなプラレールが連結されて走ってくるようにすることなのです。これを著者は、ポジティブトリガーおよびネガティブトリガーと呼んでいます。
過去の嫌な記憶が連結されて走ってくる引き金を引くのではなく、過去の楽しい思い出が連結されて走ってくる引き金を引くことです。この引き金の見分け方が、本書の核になります。はっきりいって、これは難しいです。概要はお分かりいただけると思います。ポジティブトリガーとネガティブトリガー。けれど、実際にこの二つのトリガーの見分け方は、男性脳を持っている我々には、おすぎとピーコを見分けるのよりも難しい。
この本は、はっきりいって面白いです。「なるほど」以前に、著者のユーモアに好感が持てます。著者自身が女子なので、嫌味にならないのだと思います。本書を読んで納得できるのは表面的に、です。過去の自分の経験から、「なるほど、確かにそうかもしれないな」とは思いますが、女性脳という根本的な部分に対しては全然納得できないです。
けれど、読後には程よくすっきり感があります。カンに触るようなところもなく、腑に落ちた感じがします。そのすっきり感が、著者の(というかライターの)文章家として手腕によるものだと思うのです。
脳の専門家、というところも、読後の納得感やすっきり感に一役買っているような感じです。ど素人が脳について話すよりも、脳に関わる仕事をしている人間が「脳とは・・」と話す方が説得力がありますしね。
妻のトリセツ、お勧めします。初めて海外旅行をするのに、ガイドブックなしで行くのは無謀ってものです。きちんと、どこに何があって、こういうことを言われたらこう、というガイドブックがなくては、生きて帰ることも難しいでしょう。夫婦とは、海外旅行よりもはるかに気難しくて扱いが難しいものです。生きて帰れる保証はどこにもありません。ガイドブックを持っていたとしても生きて帰れる保証はありませんが、無いよりかはましです。ぜひこのガイドブックを手に入れて、夫婦生活という海外サバイバル以上の体験を切り抜けてください。一人でも多くの生還者を。
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