強く生きるノート 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー
5人の著名人が、「しなやかに、自分らしく、強く生きる方法」について講義する形の本です。
自分らしく生きるために次のステージへ行きたいと思ったら、チャレンジするしかありません。その際に、リスクはつきものです。よく「何もかも欲しい」と思う人がいますが、それはできません。
ハワイと東京でデュアルライフを送りながら好きなサーフィンなどをして生活している本田直之さんは、「何もかも得ることは、よっぽどのお金持ちでなければできない」と言っています。とても豪華な家に住んで、派手な車に乗って・・などというセレブな生活は、限られた人でしかできません。
ですから、自分らしく行きたいと思ったらリスクも出てきます。リスクとは捨てること、覚悟すること、準備期間を得ること、です。
何もかも得ることはできません。捨てるものが出てきます。何が必要で何が必要でないのか。自分の求めるものは何で、求めないものは何なのか。詰める必要があります。求めるもの以外のもの、特に物質的なものは潔く捨ててしまいましょう。その分、リスクをとったことになります。
覚悟も必要です。自分らしく生きるには、のほほんと生きているだけでは実践できません。周りになんと言われようと動じないことが必要ですし、リスクをとることに対す覚悟も必要です。
理想の行き方を、すぐに実践したがる人もいますが、準備期間は必要です。本田直之さんも、20年かかったと言っています。テクノロジーが発達して、自分らしく生きることの裾野が広がってきました。私たちにも不可能ではないはずです。
ちきりんさんは、判断基準を示すことが、物事を相談された際には有効だと説いています。本書には、自分で考えることのワークとして、「転職相談された際の、転職するかしないの判断基準」が載っています。
それに対するちきりんさんの答えも、らしくて良いものです。
相談とは、見えない部分が多いものです。口で「「自分は今、こういう状況だ」と説明されても、なかなかその人の人生を隅々まで見ることはできません。それなのに「あなたはこうするべきだ」と指南しては、無責任というものだと思います。
そんな時、ちきりんさんは、基準を示すそうです。「そんな時、自分だったらこの基準で判断する」というものです。「もし●●が●●だったら、転職する」「もし●●が●●だったら、今の職場に残る」
そうすることで、相談者は、自分の価値観で自分で判断することができるのです。
レクチャー1 私たちの「希望」のつくり方
1−1 本田直之
1−2 ちきりん
レクチャー2 「心」とどう付き合うか
2−1 小池龍之介
2−2 平田オリザ
レクチャー3 もっと視野を広げる方法
3−1 竹中平蔵
レクチャー4 これから「会社」「仕事」はどうなるか
4−1 原田泳幸
4−2 村上憲郎
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