「悪い友人とは付き合うな」と言っても、子どもには子どもの社会がある
「小学生の息子が、親(私)の財布から現金を抜いた。友人から盗ってくるように言われたらしい。その友人との付き合いはどうするべきか。」
親が「その友人とは付き合うな。」と言ったところで、付き合いがなくなるとは思えません。その友人がクラスで影響力のある存在なら、かえって状況が悪くなることも考えられます。
親にできるのは、友人から悪影響を受けても悪いことをしないように、軸がぶれないように、子どもを悟すことです。
私が小学生のころ、クラス内に素行の悪いのがいました。力が強くてリーダー格です。保護者の間で噂になっていた事もありますし、私がその悪いのからいじめられていた事もあり、私は親から「あの子とは遊ばないようにしなさい。」と言われていました。
しかし、そんな事を実際にできたかというと、できませんでした。親から言われても、一緒に遊んでました。特別に仲が良かったわけではありませんが、休み時間に遊ぶ事もしょっちゅうでした。
子どもは朝、家を出て学校に向かった途端、学校モードに切り替わります。その時点で親の影響はなくなります。
それは、子どもには子どもの社会があるからです。いくら親があれこれ言ったところで、学校に親が付いてくる事はありません。子どもは、学校が親から切り離された場所だと思っており、学校における親の影響は皆無に等しいです。家で親が「その子と付き合うな」などと言っても、子どもは付き合う状況になれば付き合います。
では親には何ができるのか。子どもを悟すことでしょう。「その子と付き合うな」という表面的なものでなく、悪い子との付き合いがあっても悪に染まらない芯を子どもに作ること。ぶれない強さを子どもに作ること。
そのために必要なのは、親子の信頼関係です。普段からコミュニケーションをとって、子どもを後ろ盾するような態度が、子どもの心に芯を作ります。たとえ素行の悪いのと一緒に遊ぶことがあっても、決して悪にならないという心の拠り所です。
素行の悪いのがクラスにいたとしても、親が「その子と付き合うな」と言うことに意味はありません。そういう場面でこそ、普段のコミュニケーションが生きてきます。
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