子育て世代なのに、まだ読んでいないんですか?〜人を操る禁断の文章術
第一章 文章の持つ力は無限大
読者の想像力に働きかけて、読者に行動をうながす。
例えば「世界一の美人を思い浮かべてください」と言われて、どんな人を思い浮かべるだろうか。もちろん人によって美の間隔は違う。目鼻立ちがくっきりした人を美人と感じる人もいれば、可愛らしい雰囲気の人を美人という人もいるだろう。けれど、「世界一の美人を思い浮かべること」は、可能なのである。そしてそれは、文章によって引き起こせることなのだ。
写真や動画では、世界一の美人は表現できない。そんなものは人それぞれだからだ。世界中どこを探したとしても正解の人物はいない。文字という極めて限られた表現しかできないものだからこそ、受け取る側の想像力を増幅させることができるのだ。「いかに読者の想像力を増幅させられるか」「どうやって読者の想像力を増幅させるのか」が、相手を動かす文章を書く上でのポイントになる。
これは、「細かく書きすぎないこと」でもある。細かくアレもコレも書くと、読者が想像する余地がない。そもそも「細かくアレもコレも」を書くのは、土俵が違っている。量を書こうとするのはなく、書くのは想像のきっかけであり、トリガーである。
「こうあったらいいな」とか「こうなりたいな」という妄想を、読者にさせるのである。そのために何を書いたらいいのか、というのが文章の持つ力を最大限発揮させることになる。
第二章 「書かない」3原則で人を操る
・ あれこれ書かないことで、読者の想像力を利用する。
目的は相手がいかに想像するかであって、そのきっかけを与えてやれるような文章がいい。きっかけを与えれば、後は読者が自発的に想像を膨らませて行動につなげてくれる。
・キレイな文章を書こうとしないで、話しかけるように書く
きれいな文章を書こうとすると感情を抑えた文体になるが、それよりも相手の興味にサクッと刺さるような砕けた文体がいい。
・自分が書きたいことは書かず、相手に刺さる言葉で書く
書く前にどれだけ相手を調べられるかで、相手が動くかどうかが決まってしまう。相手にフォーカスすること。
第三章 人を動かかす7つの引き金
・ 相手の興味や関心事を調べる
自分が書きたいことではなく、ターゲットを絞って文章を書く。20代の興味と50代の興味は違うので、20代に話しかけるような文体で50代が好きそうな話題を書いては、チグハグになってしまう。それでは刺さる相手がいない。ネットなどを利用して、ターゲットの興味関心を予想しよう。
・ 読者の「こうあるべき」と「こうなりたい」という欲求を汲んでやる
人間の心理は常に、ホンネとタテマエの間で揺れている。政治家にしろ、母親にしろ、経営者にしろ。理想の自分と本当の自分がおり、判断はその間で起こる。この辺を意識すると、相手に「わかってるな」とか「そうなんだよ」と安心させることができる。
・ 健康、夢、人間関係、お金の悩みにフォーカスする
美しくありたい、長生きしたい、友達から嫌われたくない、カーストの上位でありたい、いい暮らしがしたい、その日暮らしは嫌だ、などの悩みは普遍である。この辺の言葉を文章に散りばめると、読者の注意をひくフックになる。
・ 得するよりも、損しないことを前面に出す
「プラス100である」ことを伝えるよりも、「マイナス100でない」ことを伝える。人は得にはうといが、損には敏感である。ごく僅かな
・ 「皆と同じでありたい」「自分だけ遅れたくない」という読者の心理を利用する
読み手の憧れ提示しつつ、「遅れているのはあなただけですよ」とささやきかける。
・ 読者の承認欲求(プライド)を満たす
相手を誉める、あるいは持ち上げることが重要になる。仕事でいつもやっていること。「〜なんてさすがですねぇ」とか「あなたのおかげで〜できるようになりました」「〜なんて初めてですよ」なんてことを言われると、人間はなびくものである。
・ 「あなただけの‥」「ここだけの話‥」的な特別扱い
「自分だけが一歩リードできる」という特別感、希少感を出してやる。数量限定、在庫僅少、本日限り。制限されると欲しくなるのが人間である。
第四章 文章を書く際のテクニック
・ 書き出しはポジティブに
書き出しは重要である。その後の文章の流れを決めてしまうし、読者がその文章をわざわざ読むかどうかの判断も、冒頭で決まってしまう。感情や共通の体験をポジティブかつ詳しく書くのが鉄板。
・ 同じ言葉でなく、同じ意味と感情を繰り返し伝える
同じ言葉の繰り返しは幼稚な印象を与えるので、言葉を変えて繰り返し、伝えたいことを伝える。
・ 話しかけるように書く
相手が目の前にいるように、相手の反応も予想しながら。
・ 誘導する感情は、ポジティブからネガティブからポジティブへ
上げて、下げて、最後は上げて。マイナスなことは真ん中に入れれば変化になるし、紛れ込ませることができる。
・ 追伸の内容が一番、読者の心に残る
追伸にクライマックスを持ってくる方法もある。その場合は、本文を一旦きちんと終わらせることがポイントになる。
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