目を向けるべきはモヤモヤしたもの〜「やりがいのある仕事」という幻想

2018.12.27 (木)

 

 

モヤモヤしたものにこそ、物事の本質はあるのでしょう。なぜかというと、「なぜか分からないけれど面白かったから」です。モヤモヤしていて、「こん文章が良かった」「この一言が良かった」という印象がこの本にはないんです。全体的に良かったです。だけど面白かったし、仕事を考える上での基本、というか「一番の根底にあるのはこんなことなんだろうか」というのを思いました。

 

 

「この本の良かったものとは何か」と自問してみて、本音を言えば、モヤモヤっとした塊的な良さです。そんな煙みたいな塊が本に詰まっているのが、この著者のいいところなんでしょう。

 

 

もっと抽象的であることの良さに目を向けるべきですね。世の中では具体的でハッキリしたものが好まれます。「抽象的だから具体的に!」なんて言葉は日常茶飯事だし、高価な買い物や高級感のあるものに憧れる人はたくさんいるでしょう。

 

 

具体的なものっていうのは、人を引きつけます。引きつけるというか、「捕らえる」と言った方がいいかもしれません。捕まえて離さない、感じです。豪華な食事、ラグジュアリー感のある車、きらびやかな生活。そんなものにとらわれている人間が多すぎます。

 

 

だけど気をつけたいのは、そこに本質はない、ということです。具体的なものやはっきりとしたものっていうのは、物事の一面にしかすぎないんです。物事の一方向からの見方でしかありません。本質ではないんです。表面的なんです。だからハッキリとしていて分かりやすいんです。

 

 

「わかりやすい」と「本質」がともにあることは稀でしょう。もしともにあるのであれば、それはどっちかです。フェイクであるか、本物であるか。難しいんですよ。本質を分かりやすく具体的に表現することが。本質っていうのは奥が深いんですよね。それを一言で表せるなんて、簡単にできるものではないんです。

 

 

例えば資格ってあるじゃないですか? あれっていうのも具体の象徴だと思うんですよ。資格っていう、ハッキリしたもの、誰にでも説明できるものを人は求めたがるんですが、資格を持っているからdといって、その能力の本質が分かっているのか、身についているのかというと、そうではありません。

 

 

英検1級なり2級なりを持っている人でも、その資格を活かしきれていない人は多いでよう。英語を勉強することの本質が英検の取得なのか、というとそうではありませんよね。英検っていうのは、英語を勉強することの一部分でしかないはずです。

 

 

英語を勉強することの本質っていうのは、おそらく「外国で一人でも生きていける」とか、「異文化を理解できるようになる」とか、「違う文化の人とも仲良くなれる」とか、そんなものだと思います。

 

 

だから、英検っていう資格に英語の本質が現れているのかというと、そうでもないんです。英語の本質っていうのは、もっとモヤモヤしたものなのであって、「英検」っていうハッキリしたもので表すことができるものではないんです。

 

 

だけど難しいところは、そういう「ハッキリしたものを人は求める」、ということです。人の共感を呼ぶもの、人から理解されるもの、人にとって楽なものは、ハッキリしたものだからです。だから、モヤモヤしたものを遠ざける傾向にあるんです。で、ここが勘違いしやすいところなんですが、ハッキリした具体的なものの中に、本質を求めてしまうんです。本当は本質を求めていたはずなのに、いつの間にか具体的なものを求めてしまうんです。

 

 

英語の上達が目的だったのに、いつの間にか英会話スクールに通うのが目的になっていたり。英会話スクールに通うのが目的だったのに、そのためのバイトで時間が潰されて行ったり、です。

 

 

しかも、その具体にとらわれている事になかなか気づかないんです。目的と手段が逆転してしまっているって事になかなか皆んな、気づかないんです。客観の視点が持てないでいるんです。本当は子どもの可能性を伸ばすために始めた習い事なのに、習い事に通わせるために子どもを叱る、みたいな。本来の目的と、近いところにある手段が逆転しているんです。

 

 

近いところにあるもの、現実的なもの、ハッキリしたもの、具体的なものっていうのに、人はとらわれてしまうんです。本当はそこに本質はないのに。それは本来の目的ではないのに。

 

 

だから意識して、もっと抽象的なものに意識を向ける必要があるんです。抽象的っていうのは客観的と相性がいいです。自己中にならず、主観にとらわれず。視野の狭いままでおらず。

 

 

もっとモヤモヤしたものに目を向けましょう。もっと抽象的なもの。分かりにくいもの。現実感のないもの。遠くにあるもの。すぐには手に入りそうにないもの。そうすれば、逆に自分のことも見えてきますよ。近いと逆に分からないものです。

 

 

自分の地元の良さは、地元を離れて初めてわかるものですよね。親のありがたみも、親元を離れて初めて、わかるものです。日本の良さも、海外に行って初めてわかるものでしょう。目を向けるべきは抽象なんです。

 

 

この本も、著者の仕事に対する漠然としたイメージを述べているだけです。しかも本の最後の方で、この本に書かれているのは「こう思うという僕の意見だ」「だからみんなに当てはまるかどうかは分からない」というようなことが書かれています。まさにその通りで、このような無責任とも思えるスタンスで書かれているからこそ、この本は多くの人に当てはまるのであり、だからこそこの本の魅力が放たれるんでしょう。

 

 

物事の本質っていうのは、多くの人に当てはまる不変の原理です。でもそれっていうのは、漠然としているものであることがほとんどなんです。当たり前のことを言われている感じもします。当たり障りのないことのようにも聞こえます。冷たく距離を置かれているようにも感じます。ですが、それが本質なんです。

 

 

それと、この本のアドバイスは、誰にでも当てはまるものではないでしょう。当てはまる人と、当てはまらない人がいるでしょう。この本を読んで「救われた」と思う人もいれば、「救われない」と思う人もいるでしょう。これもその通りなんです。

 

 

本質っていうのは、人によって見方が変わるんです。その時々の状況によって違うんです。時間によっても場所によっても違うものです。同じ「これはイヌです」っていう説明を聞いても、「具体的だな」と思う人と「抽象的だな」と思う人がいるんです。時と場所と人によって、それぞれ求めているものが違うんです。もっと具体的な「ブルドック」とか「シェパード」という言葉が欲しかった人もいれば、「イヌ」という言葉が欲しかった人もいるでしょう。それぞれなんです。

 

 

仕事をやりがいのあるものにするためには、仕事から距離を置くことでしょう。あまりにも神聖視しすぎていては、とらわている状態です。全体が見えないでしょうし、本質も見えないでしょう。「やりがいのある仕事」という幻想を忘れて、「なんだ、仕事ってこんなものか」と、距離を置いて考えられるようにするんです。著者のように。

 

 

そうすれば、見えなかったものも見えてくるのではないでしょうか。例えば、仕事のデメリットだと思っていた部分がメリットに見えてきたり。デメリットが、そうでもなくなんでもないものの様に思えてきたり。何でもないものが、掛け替えのないメリットに思えてきたり。

 

 

客観視が必要ということです。著者曰く、仕事っていうのはお金を稼ぐ手段に過ぎません。対価を稼ぐものです。生きるためには、どうしてもお金が必要です。本当はそうでもないんですが。多くの人が、生活するためにはお金が必要、と考えていることでしょう。そのお金を稼ぐためのものなんです。生活するために差し出しているもの。それ以上でもそれ以下でもありません。

 

 

世の中では、仕事に対する色々な美辞麗句があふれています。仕事を飾るための色々なCM、テレビ、情報があふれています。「こうすれば楽に設けられる」とか「好きなことをして一生、幸せに暮らす」とか。そういう具体的な言葉や情報があふれています。

 

 

で、具体的なだけに、私たちはそんな表面的な情報や言葉にとらわれてしまうんです。そして本質を見誤ってしまうんです。本当はもっと大切なものがあるのに、表面的なものに心を奪われてしまうんです。

 

 

ダイエットをしようと思っても、街中の美味しそうな広告に目を奪われるようなものです。慎ましく生活しようとしていても、投資詐欺やオレオレ詐欺に引っかかるんです。具体的なものっていうのは、人を引き付けるんです。

 

 

ですが、その具体から離れてもっと客観的に物事を見れば、違う選択肢っていうのが見えてくるんです。近視眼的になって、周りが見えていなかった状態から、視野が開けるんです。一部分しか見えていなかったのに、ある特定の一部分だけを見てそこが全体だと思っていたのに、もっと広く全体を見られるようになるんです。

 

 

その方法が、抽象的に見ることであって、客観的な視点を持つことです。でもってそれっていうのは、物事の本質でもあります。根幹の部分になります。この本で言っていることも、こんかんの部分です。

 

 

ですが、それだけに面白くない。当たり障りのないことのように聞こえます。冷たく聞こえます。でもそれが真実なんであって、本当のところなんです。

 

 

具体的なアドバイス。親身なアドバイス。あなたの考えに沿ったアドバイス。そのようなものは、この本には書かれていません。全て著者の考えです。読者のことを想像して書かれたのではないのでしょう。

 

ですが私は、きっとためになると思います。この本は、仕事で悩んでいるあなたを救うのではないかと思います。仕事だけにとどまらず、人生で悩んでいる人への助けになるんだと思っています。それだけの引き付ける力を持っています。

 

 

親身でないのに、具体的でないのに、読者のためを思って書かれた本ではないのに。どうしてこの本は人を引き付けるのか。それは、おそらく本音で書かれたものだからです。この本の内容は抽象的です。モヤモヤしています。確かにとらどころがありません。だけど、力強さを感じるんです。それは、著者が本音で書いているからなんでしょう。読者に合わせることを考えず、自分で考えて自分の言葉で書いているからなんでしょう。それが本音で書かれている、ということです。

 

 

この抽象的に書かれた本の魅力を引き出すには、読者が労を必要とされます。それは、考える、という労です。この本は、読んだだけで読者のためになることはありません。読んだ後に読者自身が考えて、自分ごととしてイメージすることが必要なのだと思います。

 

 

抽象的に書かれた内容を、自身の状況に合わせて具体化する作業です。考えることで、具体化することで、この本の内容も活きてくるんだと思います。この本に書かれていることは、抽象的です。現実味がありません。すぐに自分のためになるものとは思えません。

 

だから必要なのは、具体化なんです。この、抽象的なものを具体的に変化させることを促すことだけでも、この本には価値があるでしょう。抽象と具体の往復が、考えることでは必要なんです。そして、自分で考えるからこそ、物事は前に進みます。自分で考えて、自分で結論を出して、自分で動くからこそ、しっかりと前に進むんです。

 

 

この本は仕事に対して考えるきっかけになります。考えた末に、すぐに具体化できるかどうかは分かりません。それは人それぞれなのだと思います。抽象的に考えることができる人は、すぐに具体化できるでしょう。遠いところにある抽象的な表現と、近いところにある具体的な生活を、繋げて考えることができるでしょう。

 

ですが、すぐに具体化でいない、という人も決して具体に逃げないことが大事だんだと思います。すぐに具体化できなくても、すぐに実生活に役立たなくても、それは抽象的だからです。具体的なものほど、すぐに役立つように思います。ですが、その役立つというのは表面的なんです。根本のところまでは変わりません。

 

 

いつでもどこでも、根本を変えるのは抽象なんです。なぜなら、抽象的なものにこそ、物事の本質があるからです。具体的なものにとらわれないで、抽象的なものに目を向けること。そうすると、大抵の悩みは解決の方向に向かうのではないでしょうか。客観の視点が持てて、それまで見えなかったものが見えれくるようになるのではないでしょうか。

 


 

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