非行の兆しを見せた子どもの心を開くのに必要なものとは
非行少年でもなんでも、相手に心を開いてもらうには、相手の言うことをしっかりと聞かなければなりません。人は話の中で自分の言うことをしっかりと聞いてもらえることで安心し、その人に信頼を寄せ、心を開くに至るからです。
ですので、まずは相手の話を聞くことが重要になります。相手の話を聞くのに必要なものの一つが、勇気なのです。
自分が話をするのではなく、相手に話をさせる勇気。話の主導権を相手にわたす勇気。相手が話をするのを邪魔しない勇気。自分の目的に反して、話が脱線するのを許す勇気。
この勇気は特に、目的がはっきりしているときには持ちにくいものです。「こういう結論まで持って行こう」「話をこういう展開にしよう」と思っているときに、相手に話を好き勝手させても、自分の思い通りに話が流れるとは限らないからです。
普段、話し上手な人や、話が好きな人は、特にこの勇気が持ちにくいのかもしれません。普段は自身が主体になって会話をすることに慣れている分、相手に話の主導権を渡すことに不安を感じるかもしれません。
しかし、非行少年などに対し、立ち直りなどの目的を持って話をする際に、特に自分が主導権を持っては効果が望めません。
なぜなら、人は自身で導き出した答えにこそ、主体性をもって取り組むことができるからです。相手から一方的に与えられた答えは、結局は他人の答えであり、自分で積極的に立ち直ろうという気はおきません。
「このままではダメだ」という自分でたどり着いた答えにこそ、主体性をもって取り組むことができるのです。
もちろん1から10まで、話のすべてを相手にさせるわけではありません。大局に立ったおおまかな流れや方向性は握っておく必要があります。しかし、自身で話さなければならない部分については、自身で答えを見つけて話をさせなくてはなりません。
相手に話をさせるのに必要なことが勇気なのです。勇気を持って相手に話をさせることで、信頼関係がつくられ、本来の目的にたどり着くことができるのです。
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