直感でのメモ書き習慣の勧め〜ゼロ秒思考
メモ書きを習慣にすることで、悩みが解消され、考えがブラッシュアップされ、自身の成長につながる、と説いているのが、この本です。メモ書きの方法はかなり詳しく記載されており、
A4用紙を横書きにし、1件1ページで、左上にタイトルを書き、1ページに4〜6行のみ、各行20〜30字、毎日10ページ、1ページを1分以内に書く。
と記載されています。
本書で提唱されているメモ書きとやり方は違いますが、私も毎日文章を書くことで、同じような効能を感じています。半ば強制的に、毎日文章を書いています。私も、自分が感じたことをできるだけ本音で言葉に表せられるように心がけています。「文字にのあって出てきた文章が本音かどうか」が、私が気にしているところです。
その時の感情、思い、考えを本音で文章にしようとすると、時間はかけていられません。心の中はうつろう波のようなので、さっきあったものが、一瞬のうちに何処かへ消えてしまいます。たとえノートに書き留めていたとしても、次に時間をおいて見たときには鮮度が落ちています。時間をおいて文章にしようとしても、リアルさが感じられないのです。
著者のやろうとしているゼロ秒思考は、心情をうまく文章にすることが肝だと思います。思いを言葉にできると、心情が可視化され、不思議と悩みが解消の方向へ向かっていきます。悩みを解消するためのアイディアが浮かんだり、もしくは「悩むほどのものでもないな」と軽く考えることができるようになります。
メモ書きの習慣は、心情をうまく文章にするためのトレーニングです。ひたすら毎日、思いを文章にすることによって、確実にその力はつきます。考えは洗練され、目標ははっきりと見えるようになり、悩みは解消します。私もコラムを毎日書くようになってから、自分の成長を感じますので、毎日文章を書くという習慣は共感できます。
ただ、著者が推奨するこのやり方だと、あまりシンプルでないのが気になるところです。大量のA4用紙が必要ですし、大量のA4用紙が残ることになります。常にA4用紙を持ち歩かなければなりませんし、それでは移動しづらくなるでしょう。ミニマリズムを信条とする私にとっては、あまりスマートでない、という印象です。
著者は多数の本を書いており、またセミナーも開いているようです。本書には記載できなかったエッセンスがまだあるかもしれませんし、直接会わなければわからないこともあると思います。著者のセミナーに参加してみるのも、ありかもしれませんね。
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