子どもにとって、図鑑は絵本よりもいいのか
最近、「子どもに読ませるなら図鑑がいい」という話を聞き、本屋で図鑑を買ってきたのですが、そこでの気づきです。
私なりの気づきとしては、「そうでもないかな。」ということです。
確かに図鑑を読むことは、子どもにとって大いにメリットです。知識が増えますし、絵や写真がリアルで迫力があるので興味がわきますし、子どもの印象にも残りやすいのだと思います。
しかし、どうも無機質な気がしてなりません。なんとなく、0の上に1を積み上げているような無機質感を感じぜざるを得ないのです。
そこで絵本を読み返して気づいた絵本の良さは、黒とも白ともつかない心理を微妙に描いている点です。
例えば、「手袋を買いに」というお話があります。母親きつねは、「人間はこわい存在だ」と言って町に子どもをおくりますが、子ぎつねは「人間はこわい存在ではなかった。」と言って帰ってきます。
このような、人(?)の心理の難しいところ、社会の複雑なところを表現しているのが、絵本の一つの良さなのだと思います。
「手袋を買いに」の例であれば、「果たして人間というのは、動物にとってこわい存在なのか」「相手がきつねとわかっていながら手袋を売った店主の心理とは」などを考えるきっかけになりえるのが、絵本の良さなのだと思います。
白黒はっきりさせられないことだったり、何が善で何が悪かわからないことだったり、甲乙の優先順位をつけられないことだったり。今更ではありますが、人間社会のモヤモヤした部分を描き、子どもに考えるきっかけを提供できる絵本の良さに気づきました。
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