優しさの短所とは(その1)

2019.10.11 (金)

最近、イライラを優しさへ変えるにはどうすればいいのか、というテーマについて主に発信しています。イライラというのは、怒りっぽい性格だとか、感情的になりやすい性格だとか、攻撃的なものです。で、それに対する反対側に位置するのが、優しさです。優しさは、思いやりとか、寛容さとか、相手に身になって考える、などということです。一番わかりやすい言葉として、主にイライラと優しさ、という言葉を使っていますが、そんな広がりのある概念のことです。

 

 

で、優しさを育むにはどうすればいいのか、ということについてよく発信しているのです。が、もちろんデメリットもあるんです。優しさのデメリット。私のいう優しさとは、想像のことです。連想でもいいです。自分の価値観や経験や視点を踏み台にして、相手の視点を想像すること。まさに相手の身になって考える、ということです。で、そのためには共通点や似ている部分を見つけると、想像しやすいですよ、と。

 

 

これっていうのは、抽象的な視点なんです。優しさというのは、目の前にある具体的なものよりも、もっと上の方にあるモヤモヤしたところからなんとなくその場を眺める、という行為です。分かりやすくて引力の強い主観にとらわれるのではなく、掴むのが難しい客観の視点を想像すること優しさです。相手の価値観、相手の頭の中、相手が考えていること。それらを想像して、なぜ相手は自分とは違う価値観や意見を持っているのかを想像することが、私のいう優しさです。これのデメリットというのは、ズバリ抽象的視点のデメリットになります。

 

 

というのも、優しさとは、抽象的な視点を持つことですから。目の前の具体、分かりやすい具体にとらわれないで、細部を気にせずに大らかに行こう、というものですから。このデメリットが、そのまま優しさのデメリットになります。

 

 

相手に伝わらない

 

 

まず、相手に伝わりにくくなりますね。「自分はこう考えている」というのを、相手にわかってもらうのが困難になります。だって、具体的でないのですから。自分が直接見えている視点ではなくて、直接は見えない想像上の視点である客観を主張することになるので、「それ本当?」と言われると言葉に詰まります。

 

 

例えば誰か一人を複数で口撃している場面を想像してください。あなたは、口撃している人たちを止めようとしています。「そんなことはやめた方がいいよ。だって、相手だって悪気はなかったんだし」とでも言おうものなら、「悪気がなかったなんて、どうして分かるんだよ」と反撃されてしまいます。そうしたら、あなたにはその反撃を押し返すだけの材料を持っていないでしょう。というのも、本当に悪気がないかどうかは、本人にしか分かりません。あるいは本人ですら分かっていないのかもしれません。少なくとも、本人以外の他人には、本当のところはわからないでしょう。優しさとは想像から生まれるものであり、その根っこは想像になります。具体的に数字で表せるものでもなければ、あなたが直接に見たり感じたりしたものでもないので、説得力に欠けるのです。

 

 

対立で負ける

 

 

もう一つ。優しさを持つと、誰かと対立した際に、勝つことはできません。負けることになるでしょう。というのは、抽象的な視点とは、一歩引いて全体を見ることだからです。あらゆる可能性を考えるので、「絶対にそうだ」と言えなくなるのです。それゆえに自分の意見を押し通すことがなくなり、相手に柔和な態度になります。優しさです。優しさがあり、抽象的な視点を持っている人にとっては、具体的な視点しか見えていない相手の頭の中を想像することはできます。が、具体的な視点しか持っていない人にとっては、抽象的な視点は想像できません。というのも、具体的なものの引力が強すぎて、それにとらわれてしまうからです。抽象的な視点を持てないから、イライラしている人というのは優しさを持てないでいるのです。

 

 

例えば、分かれ道があったとして、右の道を行くか左の道を行くかで対立していたとします。普通に行けば、右の道の方がギリギリ近いのです。ですが、物事を俯瞰する癖がついている人、つまり抽象的な視点を持っている人は、あらゆる可能性を考えます。想定外にも想像を働かせようとするので、「どっちの方がいい」と人に推せるほどの強い意見を持つことができません。もちろん、自分の意見を持って祝ますが、100パーセント自分の意見が正しいとは微塵も思っていないのです。それゆえ、相手から「左の方がいいんじゃない?」と聞かれると、「まあ、そうとも言えるよね」とか「そんな場合もあるよね」というように、歯切れの悪い答えしか出すことができないのです。

 

優しさの短所とは(その2)

 


 

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