思いやりを育む方法とは(その2)

2019.09.08 (日)

アナロジーとは、ゼロからものを作り出す際に使える方法である。実体のないものを作ろうとする際に、利用できる思考方法である。それは、足場を作るようなものなのだ。例えば地面から急に二階に上がれる人はいないだろう。必ずそこには、階段のような足場が必要になる。例えば野球少年が急に、プロ野球選手になれることはないだろう。そこには高校野球で活躍というような足場が必要になる。離れたところに行くためには、離れたところに立とうとするならば、足場が必要なのである。

 

 

同じように、アイディアを生み出す際にも、足場が必要になる。階段、ステップ、踏み台のような、実体のあるものではない。しかも、目に見えるものでも手で触れるものでもない。それは、頭の中で無意識に行われているものだからだ。

 

 

アナロジーとは、日本語でいえば「連想」である。関連のあるものを思い浮かべるのだ。例えば、スイカと聞いて、同じフルーツであるリンゴやミカンを思い浮かべるように。宮城県と聞いて、山形県や福島県を思い浮かべるようなものである。対象と似たものを思い浮かべるのが連想である。

 

 

例えば、「東京→◯◯」とだけ言われて、◯◯に何が入るのか、わかる人はいないだろう。選択肢は無限である、というか、選択肢を絞れるような状況ではない。けれど、もしも前提として、「北京→中国」と言われていたらどうだろう。◯◯に入るのが「日本」となるのが連想できないだろうか。前提という足場がなければ何もwからないが、足場を作られた瞬間に◯◯に入るものが、頭の中に現れたであろう。

 

 

例えば、「リンゴ→△△」とだけ聞いて、△△に入る言葉が思い浮かぶ人はいないだろう。けれど、「ミカン→オレンジ色」と言われれば、△△に入るのが赤色だというのが分かるだろう。頭の中では、「リンゴ→△△」と「ミカン→オレンジ色」が繋がったのである。「ミカン→オレンジ色」を足場にして、「リンゴ→赤色」が連想できたのである。

 

 

このアナロジーは色々な場面で使われており、その効果は無限であるが、ビジネスの場面では主に3つの効果があると言われている。自分の理解を助ける効果、相手の理解を助ける効果、アイディアを発想する効果、の3つである。一つ一つ見ていこう。

 

 

まずは自分の理解を助ける効果である。例えば、コンビニに行く場面を思い出してほしい。そのコンビニは、新しく自分のいえの近くにできたコンビニである。自分の家の近くにできたコンビニ、初めて行ってみるのである。この時、初めて行くコンビニだからといって、「買い方が分からない」ということにはなるだろうか。おそらくならないだろう。コンビニでの買い方なんて、どこも同じだ。店内の欲しい商品を手にとって、レジに持って行って、それから会計をして店を出るだけである。ただただこれだけのことであるが、もしも日本のコンビニを使ったことがない外国人の人には難しいのではないだろうか。特に会計が難しいだろう。店内の商品を手にとってレジに持っていくかまではどの国でも同じかもしれないが、会計の方法が各国で相違があるのではないか。だが、日本のコンビニで買い物慣れをしている人にとっては、新しくできたコンビニで、買い方がわからなくなることはないだろう。というのも、それまでに散々、コンビニで買い物をしてきた過去があるからである。経験が足場になっているのである。

 

 

例えば、新しく洋服を買ってきたとしよう。あなたは新しい洋服を買ってきたとして、「服の着方が分からない!」と嘆いたことがあるだろうか。もちろん遠い昔、幼児の頃に「服の着方が分からない!」と嘆いたことはあるのかもしれない。けれど、いい大人になってから嘆いたことはないだろう。一回も着たことがない、真新しい服を目の前にして、もうすでにその服の使い方(着方)が分かっているのである。当たり前のようで、これほど不思議なこともあるまい。目の前にある未知のものは、現実的には未知には違いないが、頭の中では既知として分類されているのである。

 

 

これはどうしてなのか。それは、今まで散々、服というものを着てきた経験があるからだ。服を脱いで、また来て、の繰り返し。その数え切れないほどの服を着てきた過去が、目の前の真新しい服、来たことのない服を着ることに役立っているのである。現実的には新しくあるけれど、頭の中では新しいものではないのである。実際は初めてであるにも関わらず、頭の中では初めてではないのである。

 

 

それがうまく繋がったのだ。リンクしたのだ。橋が架けられたのだ。過去の膨大な服を着た経験、それと目の前の真新しい服が、うまく繋がったのである。過去の「服→こう着る」という足場があるからこそ、「目の前の真新しい服→●●」の●●に何が入るのか、頭の中では分かっているのである。

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