思いやりを育む方法とは(その4)

2019.09.10 (火)

答えは、共通点である。共通点を見つけることによって、一見繋がらざるものを繋げているのである。例えば、「自分の理解を助ける効果」で出てきた新しくできたコンビニ。これで買い方が分からなくならないのは、過去のコンビニに通った経験である。過去のコンビニと新しくできた目の前のコンビニに共通点が見つけられたために、橋ができたのである。うまく繋がったのである。連想することができたのだ。

 

 

例えば新しい服。過去の膨大な量の服を着た経験と、目の前の真新しいものに、服という共通点を見つけることができたために、「どうやって着たらいいのか分からない」という事態がなくなったのである。「どっちも服だよね」という共通点を見つけることができたが故に、繋がったのである。

 

 

「相手の理解を助ける効果」では、説明する際の例え話として、人生と旅を出した。「どっちも『色々な経験』をするよね」という共通点があるからこそ、旅と人生が繋がったのである。ファミリーマートというコンビニエンスストアと、コンビ。「どちらも『ずっと一緒』」という共通点があるからこそ、繋がったのである。「どちらも『ずっと一緒』」だから、コンビは、コンビニエンスストア・ファミリーマートの例え話として、相手の理解を助けることに役立ったのである。

 

 

「アイディアを発想する効果」のところで出てきた仮面ライダーもそうである。ガイコツと、新しい正義のヒーロー。昆虫のイナゴと、新しい正義のヒーロー。それがイメージのレベルで共通性を見れたために、二つが繋がったのだ。イメージのレベルでうまく同じに見えたがために、具体的に視覚的にも似たものにできたのである。石ノ森章太郎は、「似ている」と思ったのだろう。自分がこれから出そうとしている、まだ生まれてもいない正義のヒーローのイメージと、ガイコツのイメージが。現在進行形で考えていた正義のヒーローのイメージと、昆虫のイナゴのイメージが。一見、遠いところにある二つの世界が、似ている部分によって引かれ合い、うまく人とつに繋がったのである。

 

 

大事なのは、「どこか似ている」と思うことである。思いやりとは、相手に対して「自分とどこか似ている」と思えるところから出発する。似ているところを探す作業が、思いやりを発動させるには大事なのだ。似ているところを探すことができれば、相手に対して優しく接することができるのだ。似ているところは、磁石のようなものだ。相手と自分を引きつける。

 

 

私は警察官をしていた際、ケンカやトラブルの現場でよく聞いたセリフが、「分からない」というセリフである。交通事故当事者どうし、酔っ払いどうし、血気盛んな若者どうし、お互いに相手を自分の理解が及ばない、遠い世界に住んでいるものとして見ているのだ。おそらくモンスターなどの異世界のものとして、お互いに見ているのだろう。そんなだから、ケンカしてしまうのだ。相手とトラブルになってしまうのだ。

 

 

「似ている」とか「同じだ」と思った瞬間に、親近感が湧いてくるだろう。例えば、映画「火垂るの墓」を見て泣く人はたくさんいると思う。どんな時に涙が出てくるのだろう。涙が出るまで親近感が湧くのはどうしてだろう。どんな時に感情移入してしまうのだろう。共通点や、似ている部分を見つけた時ではないだろうか。「自分にも妹がいる」とか「自分も同じような体験をして苦しかった」とか「自分の祖父も戦争を体験した」とか。そんな「どこか自分と似ている」と思われるような体験をした瞬間に、目の前の相手と自分が繋がって、重ねて見ることができるようになるのだ。

 

似てる部分を見つけると、相手と自分を重ねて見られるようになる。自分を相手の立場に置き換えて想像することができるようになのだ。相手の立場を自分ごととして考えることができようになるし、相手の視点で物事を見ることができるようになるのだ。これは、思いやり以外の何ものでもあるまい。

 

 

それともう一つ。相手に厳しい態度をとることがなくなるのだ。同じだと思った瞬間に、冷めるのである。相手に厳しい態度をとったり、イライラしていたり、「このヤロー!」と思ってはいたとしても、相手と自分の間に似ている部分が見えて、相手と自分が同じだと思った瞬間に、熱が引いてしまうのである。それは、どんぐりの背比べに見えてしまうからだ。馬鹿らしく思えてしまうのである。滑稽に思えてくるのだ。

 

 

どんぐりが背比べしているところを想像じてほしい。小さな、ちっぽけなどんぐりどうしが、背比べをしている。「俺の方が大きい」「いいや、俺の方が背が高い」「馬鹿を言っちゃいけない。一番背が高いのはオレだ」と、1ミリや2ミリの差で競い合っている。そんなものは、我々人間の目から見れば、どっちも同じだろう。もしも自分がどんぐりを背比べをしているとしたら、こんなに馬鹿げたことはあるまい。

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