その「英語」が子どもをダメにする 〜 子どもの非行を防ぐためのブックレビュー

2017.12.21 (木)

 

英語の早期教育に警笛を鳴らす本です。

 

 

小学校からの英語教育が始まり、大学入試でも英語のスピーキングやリスニングが重視され、社会には子どもに早期の英語教育を推奨する格好の環境となっています。テレビで英語を流暢に話す子ども芸人が出てきたり、近所の子どもが英会話教室に通っているとなると、「我が子にも・・」とついつい思ってしまいます。

 

 

ですが早まっていはいけません。著者の言葉を借りると、「英語にうつつを抜かしている暇はない」のです。大事な大事な子どもの幼少期に英語などを習わせていたら「子どもの将来が台無しになってしまう」と、著者は説いているのです。

 

 

本書の構成は以下のとおりです。

 

 

序章 早くから英会話を学んでも英語力は上がらない、という事実

第1章 「英語」ができても頭が悪い子の共通点

第2章 伸びる子ほど、英語力より日本語力!

第3章 世界で活躍する日本人が英語より重視していたこと

第4章 これからの時代、英語が流暢な人ほど仕事に困る!?

第5章 AI時代、子供に真に求められる能力とは?

 

 

著者の主張する「英語にうつつを抜かしている暇はない」というのは、だいたい以下の根拠からなっています。

 

・ 母語をおろそかにすると、思考力が育たない。しっかりした母語があってこその思考力である。

・ 科学技術の発達により、外国語の習得が必要なくなる

・ 英語のクラスで幼稚園のお遊戯程度のことをしていても意味がない

・ 英語コンプレックスに惑わされてはいけない

・ 日本語を母語として持っている日本人の強みを生かすべきである。高度な内容の学問をも母語で学べる環境は、外国には滅多にない

・ 英語の早期教育は、中途半端なセミリンガルのリスクがある

・ 切羽詰まった環境があれば、英語は成人からでも身につけられる

・ 流暢な英語を話されても英語ネイティブ以外聞き取れないので、デメリットとなる

・ AIの苦手なことをできるようにすることが大事であり、意味を深く理解するようにする教育こそが重要

・ AIが苦手なおもてなしの心は、日本語を母語とする日本人にとって強みである

・ 聞く力があるを育てることが、視野の広い子を育てる

・ IQよりもEQを育てる

 

 

幼少期をどんな風に過ごすかは、その子どもの人生で重要な位置を占めます。実際は英語を勉強することでモチベーションも上がりますし、それが相乗効果を生むはずです。異文化に触れる事は、視野をも広げます。著者の言うように、英語教育の風潮に載せられて安易に「英語くらいは・・」としたいものです。

 

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